【医薬品工場建設のノウハウ】リーンクオリフィケーションアプローチの考え方を取り入れたプロジェクト遂行について【第4回】

今回はシステムごとのクオリフィケーション活動について説明します。

(7)システムクオリフィケーションプラン(System Qualification Plan SQP)
システムクオリフィケーションプラン(SQP)は施設及び設備ごとにそれぞれのリスクアセスメント、クオリフィケーション、CSVの実施方法をとりまとめた計画書です。第2回目で説明したQMPをあるシステムグループごとに作成する場合は、本SQPの作成は省略されることもあります。プロジェクトの内容、規模等に合わせてQMPとSQPを選択または組み合わせて計画を立てることを推奨します。

1. 目的
2. 適用範囲
3. システム概要
 3.1. システム名称
 3.2. システムの開発目的
 3.3. システム構成
 3.4 システムの開発条件
4. 初期リスクアセスメント
5.供給者アセスメント
 5.1 供給者アセスメント
 5.2 供給者監査(文書監査)
 5.3 供給者監査(訪問監査)
 6.クオリフィケーション実施方針
 7.クオリフィケーションの判定基準
 8.システムクオリフィケーションレポート
 9.変更管理
 10. 逸脱処理
 11. 添付資料


(8)ユーザー要求仕様書(User Requirement Specification URS)
ユーザー要求仕様書(URS)は、施設及び設備を決定する重要な図書です。URSは施設及び設備設計の出発点となる図書であり、 URSを必要十分に検討することで適切な製造工程を適正なコストで構築できます。URSの策定には、対象となる施設及び設備で行われる工程を一つずつ検討していく必要があります。これには、SMEの参加が必須です。PICS GMP Annex15では、URSはバリデーションのライフサイクルを通して参照の基準点として定義されており、リスクアセスメント、クオリフィケーションの起点と捉えています。

 PICS Annex15 URSについて(参照:PIC/S解説シリーズ Annex15 Qualification and Validation)

*User requirements specification (URS)
3.2
The specification for equipment, facilities, utilities or systems should be defined in a URS and/or a functional specification. The essential elements of quality need to be built in at this stage and any GMP risks mitigated to an acceptable level. The URS should be a point of reference throughout the validation life cycle.
URSやFSに 施設設備の仕様を定義すること。この段階で、品質の本質的な要素を組み込み、GMPに関わるリスクを許容範囲内に軽減させる必要がある。URSをバリデーションのライフサイクルを通じて、参照の基準点として活用すること。
                       PICS GMP Annex 15, 2015

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