【医薬品工場建設のノウハウ 番外編】原薬製造設備の基本計画(概念設計)のポイント その4

一連の投稿の最終回として、前回紹介した撹拌槽のスケールアップについて要説する。

原薬の開発から実生産に至るまでには数回のスケールアップが行われる。
そして、その際注目されるのが、スケール依存型パラメータ(製造スケールにより影響を受けるプロセスパラメータ)である。
例えば、撹拌速度、原料の添加速度、加熱/冷却速度のように単位時間の変位を表すプロセスパラメータがこれに該当する。これらはそれぞれ動力特性、混合特性、伝熱特性の観点から評価する必要がある。
尚、前回紹介したとおり、今日、撹拌の厳密な検討は数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)に基づく流体解析によって行うことができる。但し、このCFDはモデル化が容易でないこと、非定常状態のシミュレーションに多大な時間が掛かることより、原薬製造設備の設計には余り活用されていないのが現状である。
この現状を踏まえ、一般的に行われている化学工学的な手法を整理する。

スケールアップに着目すると、動力特性、混合特性、伝熱特性の各一般式は以下のとおり簡略化できる。尚、以下は幾何学的相似のスケールアップを対象としている。
幾何学的相似でないスケールアップ、スケールダウン、撹拌形式変更を行う場合には、以下の簡略式ではなく、前回紹介した一般式を適用しなければならない。

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