体外診断用医薬品とはどういうものか?【第6回】

 医療用医薬品と体外診断薬というものは、時として疎遠となり、またある時は極めて身近なものとなる。ここしばらくの動きをみていると、ある周期で付いたり離れたりを繰り返している。現在は、両者がかなり親密になっていると表現して差し支えない状況だろう。
 
 その昔、と言っても筆者が体外診断薬業界に入ったのは30年ほど前のことであるが、この時代は、医薬品企業の一部門としての体外診断薬事業が存在することが普通であった。アボット社、ロシュ社をはじめ多くの外資系企業は皆このような体制であった。国内企業も似たような状況であった。当時は、いわゆる診断薬の事業以外にも検査事業を抱える製薬企業も存在していたほどで、今とはかなり状況が異なっていた。
 
 ただし、両者は同じ傘の中に事業体として存在していたものの、そこに何かシナジーのようなものがあったかというと、そこはかなり微妙な状況であった。もちろん、各社各様の台所事情があり、事業体の相互依存の度合いはかなり異なるものではあったが、少なくとも互いが密に連携をとるという状況ではなかったように感じる。
 
 業界の外におられる方々からみれば、医薬品も診断薬も「同じような薬の世界」と映っているが、実は事業体として見た場合は「まるで別物」である。前の章でも記載したように体外診断薬は基本的に医療機器の一部分と考えた方がよく理解できる。そもそも医薬品と医療機器は、同じヘルスケアの重要な構成要素ではあるが、設計・開発から生産、販売に至るプロセスの全てが異なる。強いて同じ部分を挙げれば、医療機関にて、医師の指示の下、医療目的(診断、検査、治療、予後管理)で使われるものということ、そこまでである。

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