【ヨーロッパ、原薬GDPガイドライン発出】ASTROM通信<73号>

株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。

本稿は【2015.5.1】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー



こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

ゴールデンウィークの真っ只中ですが、いかがお過ごしですか?

さて、前回のメールマガジンで、EU Annex15(Qualification and Validation:適格性評価及びバリデーション)について取り上げ、いずれはPIC/S GMPガイドラインも改訂されるとお伝えしましたが、早速PIC/S委員会は、EU Annex15の改訂版と同じ2015年10月1日に、PIC/S GMPガイドラインのAnnex15も改訂すると発表しました。
内容は、EU Annex15 5.17章のQualified Personが、PIC/S GMPガイドライン Annex15ではAuthorised Personになっている以外は同じものです。

新PIC/S GMPガイドライン Annex15
http://picscheme.org/bo/commun/upload/document/ps-inf-11-2015-pics-gmp-revised-annex-15.pdf

そして今回は、ECから2015年3月19日に発出された人用医薬品の原薬に関するGDPガイドライン(以下、原薬GDPガイドラン)について取り上げたいと思います。


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EC:原薬GDPガイドラインの概要
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このガイドラインは、人用医薬品の原薬の輸入業者及び配送業者に適用され、2015年9月21日に施行となります。

2013年11月5日に人用医薬品のGDPガイドラインが施行されたのに続き、原薬についてもGDPガイドラインが施行されることになりますが、その目的は、人用医薬品と同じく、偽造品の市場への流入を阻止することにあります。

原薬GDPガイドラインは、下記8つの章からなっています。
 1章 範囲
 2章  品質システム
 3章 人員
 4章 文書化
 5章 建物・装置
 6章 業務
 7章 返品、苦情及び回収
 8章 自己点検


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EC:原薬GDPガイドラインの注意点
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原薬GDPガイドラインで、注意すべき条文をピックアップします。

■1章 範囲
1.2章
本ガイドラインにおいて、原薬の配送とは、原薬の調達、輸入、保持、仲介を除く供給または輸出に関する全ての活動からなる。

■2章 品質システム
2.1章
原薬の配送業者は、責任、手順、リスクマネジメントの原則を明確にした品質システムを作り、維持しなければならない。
2.2章
品質システムは、担当業務の遂行能力のある人員、適切かつ充分な建物・装置および設備が装備されていなければならない。品質システムは、下記のことを保証しなければならない:
(i)原薬が原薬GDPガイドラインに従って調達、輸入、保持、供給または輸出される
 こと
(ii)管理責任が明確に規定されること
(iii)原薬が正しい受領者に適切な期間内に配送されること
(iv)記録が同時に作成されること
(v)定めた手順からの逸脱は文書化され調査されること
(vi)逸脱を是正するために適切な是正措置・予防処置(CAPA)がとられ、品質リス
   クマネジメントの原則に従って予防されること
(vii)原薬の保管と配送に影響を与えるであろう変更は評価されること

■3章 人員
3.1章抜粋
配送業者は、配送活動が行われる各場所において、品質システムを実行し維持することを保証するために、明確な権限と責任を持った人間を指定しなければならない。
指定された人間は職務を委任できるが、責任は委任できない。
3.2章
原薬の配送に関係する全ての人員の責任が文書により指定されなければならない。人員は原薬GDPの要件に基づいて訓練されなければならない。人員は、原薬が適切に取り扱われ、保管され、配送されることを保証するために適切な能力と経験を持っていなければならない。
3.3章
人員は、文書化された手順と訓練プログラムに従い、役割に応じた初期及び継続的訓練を受けなければならない。
3.4章
訓練の記録は保管され、教育の効果は、定期的に評価され文書化されなければならない。

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