【2014年後半発行ウォーニングレターの確認】ASTROM通信<66号>


株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。

本稿は【2015.1.15】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー
 



明けましておめでとうございます。
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて今回は、これまでも何回か取り上げたことのある、FDAのウォーニングレター(Warning Letter)を取り上げます。
2014年後半にCDER(FDA医薬品評価センター)の製造及び製品品質オフィスから発行されたウォーニングレターを読み、最近のFDAが製造所査察においてどんな点を指摘しているか確認していきたいと思います。
 

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WL: 320-14-13 2014年7月8日 インドの製薬会社に対して(一部抜粋)
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2013年10月29日~11月1日に行われたインドの製造所査察について、次の指摘を含むウォーニングレターが出ました。

1.医薬品の製造、加工、包装、保管において、各バッチの製造と管理の記録を整えることを怠った。

2.重要な設備の点検記録を適切に保管していなかった。

3.医薬品の製造、加工、包装、保管に関わる従業員が、与えられた職務を遂行できる教育、訓練、経験を積んでいることを会社が保証していなかった。

4.会社が医薬品の保管、倉庫管理に関する文書化された手順に従っていなかった。

5.製造、加工、包装、保管に使う建物を清潔で衛生的な状態に維持せず、ネズミ、鳥、昆虫、及び、その他の害虫が自由に侵入できる状態にしていた。

6.医薬品のラベル工程において、使用するために発行されたラベルの厳密な管理を怠った。
包装ラインと隣接したオープンオフィスに、管理されていない複数の製品用ラベルがあった。
未使用のラベルは、取り違えや貼り間違えを防ぐための保管がされていなかった。
また、なぜ製造エリアに未使用のラベルを残すことを許しているかについて一切の説明がなく、この逸脱が製品ロットのラベルの貼り間違えや販売された製品の苦情に影響するかどうかの説明も不足していた。
 

6において、出荷された製品が出荷基準を満たしていたかどうかを明確に説明できなかったことから、この会社は、データの正確性・完全性について改善を求められることとなりました。

ウォーニングレター原文
 http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2014/ucm409898.htm

 

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WL: 320-14-12 2014年7月9日 中国の原薬メーカに対して(一部抜粋)
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2013年10月21日~10月24日に行われた中国の製造所査察について、次の指摘を含むウォーニングレターが出ました。

1.品質を管理するのに有効なシステムの構築を怠り、製造者から受け取った品質や制限情報を顧客に提供することを怠った。

2.原薬の販売の前に、品質部門が、バッチの製造記録のレビュを怠った。

3.製造時、製造工程記録を文書化することを怠った。

4.設備を原薬の製造に使用するために適切な状態に保つことを怠った。

上記のCGMP違反に加えて、不正商標表示をした原薬を出荷した。具体的には自社で作っていない原薬を自社で作ったものとして出荷した。
 

ウォーニングレター原文
 http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2014/ucm406835.htm

 

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