ヘルスケア製品(医療機器,医薬品等)の滅菌バリデーション並びに滅菌装置の国際規格についての最新動向【第1回】

はじめに
 無菌のヘルスケア製品はその無菌性が損なわれると,当然,患者に対して重篤な被害を及ぼす可能性があるため,GMP及びQMS等の厳重な管理のもとに滅菌バリデーションを実施し滅菌保証がなされている(ここで,ヘルスケア製品とは体外診断用医療機器注1)を含む医療機器,及び生物製剤を含む医薬品である)。無菌が求められる "ヘルスケア製品"には最終滅菌法や無菌操作法が用いられている。第一選択として最終滅菌法が採用され,最終滅菌法により,その製品の品質や安全性が失われるおそれのあるときに限り無菌操作法が採用されている。最終滅菌法及び無菌操作法を含めた滅菌保証については,従来から世界各国,地域で取り組まれてきており,各国,各地域でそれぞれの滅菌保証に関する規格及びガイドラインを採用してきた。然しながら,ヘルスケア製品の市場が世界的に広がってきたこともあり,滅菌保証に係わる規格及びガイドラインについてもグローバル基準を制定していこうという機運が高まり,1990年に国際標準化機構(ISO)に第198番目の技術委員会(TC198)が設立され,滅菌保証法の国際標準化を図ってきている。この委員会活動の結果,ヘルスケア製品の滅菌保証に係わるISO規格が数多く発行されてきている。本連載の第一回では,滅菌保証に係わるISO規格について国際整合化の動きを盛り込みながら,滅菌バリデーション(ソフト規格),並びに滅菌装置の性能要求事項と,その性能検証法を定めた規格(ハード規格)概要について紹介する。第二回ではエチレンオキサイド(EO)滅菌並びに湿熱(高圧蒸気)滅菌を中心に国際的に整合化されたISOで提案されている滅菌バリデーションの考え方を紹介する。第三回ではEO滅菌並びに湿熱(高圧蒸気)滅菌に用いられる滅菌装置の規格(ハード規格)の国際的な整合化についての動向を紹介する。
 
注1:ヘルスケア製品の定義は"ISO/TS11139:2006 Sterilization of health care products Vocabulary"による。日本の薬事法では体外診断用医薬品として医薬品に分類されている。

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