「モノづくりの君へ」【第15回】

2014/03/03 その他

第15回 
1.「とりまとめ」や「監視」をするだけの管理部門やスタッフは不要である
2.幹部はいつも「外部」を見ていよ
3.大企業病に注意・・・・大企業でもないのに・・・
4.改革は一人ではムリ、全員もムリ、20%の味方をつくれ
5.仕事は早くせよ
6.「納期」「目標値」のない仕事はない
7.トヨタにはヒューマンエラーがあるが、貴君の工場にはヒューマンエラーはない

 
1.「とりまとめ」や「監視」をするだけの管理部門やスタッフは不要である
 総務・人事・経理や品質管理、設備管理等々言わば管理部門がある。いわゆる間接部門と言われるスタッフである。
 管理部門から提案があると、「あぁまた仕事が増える」と製造現場からイヤがられていませんか。製造部門から見れば"データを出せ"だの"ここが悪い"などとメンドウなことを言ってくるように見えるからである。管理部門の仕事は、関連部門間の「とりまとめ」や「監視」ではなく、お客様のbenefitのための「推進」がその仕事である。単に、管理すべきデータをまとめ、問題点を提示するだけでは不足である(そんなことは誰でもできる)。
 データを解析し、問題点を提示し、行動するために「仕掛け」をし、お客様の利益になるようにすることが役割である(さらにいえばそれが広い意味での現場の役に立つことも)。
それが、管理部門(スタッフ)が付加価値のある仕事をしたということなのだ。
 
 また管理部門はとかく「監視部門」になっていることがよくある。これもただ単に、監視しているのではなく、監視し問題点を提示し(ここまではよくやるが)、改善行動のために当該部門に「仕掛け」ていくことが必要である。さもないと、製造部門からは仕事を増やすだけのウルサイ部門と思われ、信頼が得られない。
 管理部門からの提案はおおよそ新しいことであるので、製造現場にとってはメンドクサイことである。それをお客様のためであり、惹いては現場にもメリットがあることを伝えていかなければならない。
 ただし、あくまでも「やって頂く」姿勢を忘れずに。
 蛇足だが、管理部門と製造部門の管理者の合計人員(間接人員)は、工場では――メーカーといってもよいかもしれないが――、30%を超えないこと。20%以下で運営すれば工場の体質としてはよい。もちろんより少ないことに越したことはないが。

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執筆者について

野崎 征彦

経歴 名古屋大学大学院応用物理学修了(ノーベル物理学賞受賞の小林誠氏と同じクラスで学ぶ。もっとも、私は入学後すぐに挫折しましたが…)
日本電気株式会社(NEC)において、半導体部門での約30年間の経験を経て、晴天の霹靂で、大正製薬株式会社へスカウト(?)され、執行役員生産本部長としてモノづくりを担当。複数の工場管理を行う。
「半導体」と「薬」という異業種での経験から、我が国の根幹である製造業の「モノづくり」に共通する危機と精神を強く知る。
現在、モノづくりマネジメントアドバイザーとして活動中。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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