「モノづくりの君へ」【第14回】

2014/01/06 その他

【第14回】
1.「数字」は仕事の共通言語である
2.仕事の成否はPLANで決まる
3.財務数字の読めない幹部は要らない
4.天才でない我々に突然の画期的なヒラメキはムリ
5.マネジメントは「技術」でなく「芸術」である
6.「組織で仕事をする」ということ


1.「数字」は仕事の共通言語である
 仕事は自分だけで進んでいるのではなく、他人や他部門との連携・協力で進んでいる。仕事の進み具合、仕事のアウトプット等示す時は、その「プロセス」とともに必ず「数字」で示すことが必要である。
 "歩留まりが良くなった"といっても、貴君と他人では"良い"の基準が違う。
 "やります"といってもいつまでにやるのか日時を決めなければ他人が連動して協力できない。
 仕事の目標やその結果は数字で表すことが肝要である。
 方針管理・目標管理設定の時も同様である。目標値や進捗状況を数字あるいはマイルストーンで表さなければならない。時には自身であらたに○○達成率を定義してでも数字で示さなければならない。さもないと出来栄えや現在の進行状況が分からないからである。
 「数字」が工場のような多種多様な人との間で仕事していく上での共通言語である。
 ただし「数字」は管理の入り口、題点解決の端緒・きっかけであり、管理者である貴君は数字だけに溺れてはいけない。数字だけが結果ではないし得られた「数字の前提条件」を忘れてはいけない。
 「数字だけ」で判断・行動・管理するなら素人でもできる。
 
2.仕事の成否はPLANで決まる
 よく仕事はPDCAで進め、それが成功の秘訣であるといわれるが、まったく先の分からない未知の分野の研究のような仕事は別として、我々が工場で直面するほとんどの仕事の成否は、最初のPLANで決まる。いかに綿密なPLANの基に実行されたかで勝負は決まる。
 深い洞察力を持っての事前の調査(FMEAなどの手法がある)、十分な事前準備・実行までの段取り、考えられるリスク等、それらのことを十分に精査した上で実行すれば仕事はほとんど成功する。
 貴君は貴君自身の企画した仕事、部下の企画した仕事も、十分に練り上げたPLANさえできればD以降の実行は優秀な部下がほとんどやってくれるはずである。
 それでも想定外のことが起こり、失敗したとすれば、自分には想定外についてまで洞察力がなかった、自分に実力なかったと観念し、むしろ反省して(どこがいけなかったか、何が欠けていたか)次に生かすことである。

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執筆者について

野崎 征彦

経歴 名古屋大学大学院応用物理学修了(ノーベル物理学賞受賞の小林誠氏と同じクラスで学ぶ。もっとも、私は入学後すぐに挫折しましたが…)
日本電気株式会社(NEC)において、半導体部門での約30年間の経験を経て、晴天の霹靂で、大正製薬株式会社へスカウト(?)され、執行役員生産本部長としてモノづくりを担当。複数の工場管理を行う。
「半導体」と「薬」という異業種での経験から、我が国の根幹である製造業の「モノづくり」に共通する危機と精神を強く知る。
現在、モノづくりマネジメントアドバイザーとして活動中。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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