製薬会社MRとは一体何か?【第8回】

MRの営業力とは?これからのMRに求められる能力について


GMP Platformに8回目の記載となります。
MR→コントラクトMRからヘルステック企業を経て独立し、現在は個人のYou Tubeチャンネル ( にしまファーマ ) を運営しながら、医療系人材紹介会社を運営しております。

今回は、「MRの営業力」についてお話する機会を頂きましたので、改めて私の考えを掘り下げて見たいと思います。

後半にはこの力を伸ばすには何が必要なのか、という点にも触れていきたいと思います。

【「MRの営業力」の定義】
まず営業力という言葉についてですが、教科書的な定義については対話型のAIチャットツールに回答を譲るとして、私はこの言葉を「売上を立てる能力」と捉えています。

これをMRに絞る場合はどうでしょうか。
前回の記事でもお話した通り、MRは営業と呼ばれる職種にしては随分特殊な性質を持ちます。
その特性も踏まえた上で改めて考えてみると、

MRの営業力とは、
「顧客のニーズに応えて売上を立てる能力」である。

私はこう考えています。
前半の文言を追加した理由について、ここから深ぼっていきましょう。

【「顧客のニーズに応えて売上を立てる」とは】
この言葉の意味としてお伝えしたいことは、
「MRは薬と疾患の話だけで売れる仕事ではない。」ということ。
ここがMRの特殊性であり、面白さの醍醐味でもあると私は考えています。
ついでに言うと、この特性があるからこそMRは今後も必要不可欠な存在だと言えるでしょう。

これは開業医担当、病院担当に限らず共通して言えることです。
それぞれの場合、顧客のニーズにはどのようなものがあるか、ざっと考えてみましょう。

■開業医担当の場合
・大学病院Aの来期人事ってどうなった?
・近くの中核病院Bから来る患者さんの投薬、何が目的?
・皆最近どうしてる?医療圏のDr.と交流できる機会が欲しいなあ
・新しい情報は欲しいけど情報多すぎて鬱陶しいんだよね
・なんか面白いことないかなあ…

■病院担当の場合
・○○のKOLと話したいんだけど
・医局会の繋がり、どこかでできないかな
・開業医の先生と連携強めたい
・定例勉強会で症例報告しなきゃ
・薬剤部看護部に根回しするのが大変だな…

いかがですか?上記は皆さんが普段遭遇する場面の一例でもあるかと思いますが、直接「薬」「疾患」とは関係のない情報もありますよね。

だから私の職務外です。よくわからないのでそれは勝手にやってください。いいから薬の話をしましょう。

…これでは薬は使ってもらえません。

倫理観が高い仕事とはいえ、あくまでも人と人のコミュニケーションの上での商売です。
その意思決定の裏には義理人情もあるし、担当者に対する心象、というのも存在します。

顧客のニーズが直接的に薬や疾患情報であることもあれば、それ以外の場合もある。これらに応えて目の前の顧客の役に立つことが結果的に売上に繋がる。

「顧客のニーズに応えて売上を立てる」にはこのような意図を持たせたつもりです。

ニーズに応え続けて、日頃積み重ねた信頼の先に「あなたが日頃から紹介してくれている薬だから安心して患者さんに処方できる」というMRが介在した価値があるのではないか、そのプロセスで得た経験と能力こそがMRの営業力と言えるのではないか、と私は考えています。

では、この「信頼を積み重ねる過程で得られる能力」とは何なのでしょうか。
次項で解説します。
 

 

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