製薬会社MRとは一体何か?【第2回】

製薬会社MRの必要性について

1回目の連載では「製薬会社MRとは一体何か?〜MRの基礎〜」というテーマで紹介をさせていただきました。

今回は、
「製薬会社MRの必要性」
を深堀りして参ります。


【製薬会社MRの必要性とは?】

1.MRは新薬発売直後で最も活躍する

MRが1番活躍するポイントはなんといっても「新薬発売直後」です。
MRをしていると、
「その新薬が画期的であれば営業はしなくても売れる、MRはどこで必要なの?」
という意見を医療従事者からよくいただきました。

新薬が出た後は、一気に担当エリアのターゲットドクターへ周知し、認知度を上げていく必要があります。
医療用医薬品は広告規制が厳しいため、テレビCMで流すことはできませんし、医師も臨床試験に参加した医師や教授レベルでないと新薬の情報がすぐに降りてきません。
そのため、エリアの開業医や勤務医などに新薬を広める場合はダイレクトに届ける必要があるのです。
どれだけ画期的な薬であったとしても、使い方や副作用がわからなければ処方が出ることはほぼありません。

さらに、新薬が出た際には、前述しましたがまだまだ分からない情報ばかり。
臨床試験で分かる数値からデータを語ることはできますが実臨床をしていく上で、どういった患者さんに使われるのか、というような具体的な患者像ははっきりとしていないこともあります。

また、MRは基本的にエリアで地域を担当していたり、全国のKOL(キーオピニオンリーダー)と呼ばれる医師の薬剤使用状況を把握しています。
添付文書の情報は医師自身でも調べることができますが、生の使用症例を調べることは難しいです。

このように、たとえ商品が画期的であったとしても、商品が広まっていくわけではなく、商品の深い情報が世に流れるわけではありません。

新薬が出た直後は製薬会社のMRが医師に直接薬を届けることで新薬が浸透していくのです。
 

2.医師の行動変容を促し処方を変える役目

製薬会社MRは医師の行動変容を促し処方を変える役目もあります。
洋服屋にふらっと立ち寄り新しい洋服を買う気は特になかったけど、店員さんと話していたら買ってしまった、というシーンがイメージしやすいかと思います。

医師は1人の患者さんに対し一定の薬を処方されることが多いですが、その処方が定着してしまうと中々変わりません。
そこで活躍するのがMRです。

MRの役目は、自社医薬品の「価値を最大化」させること。
それぞれの製薬会社で売上目標があると思いますが、患者さんに使用された薬が競合他社のものであれば、自社医薬品を最大化させることができません。

医師の患者さんへの処方が定着してしまうと、製薬会社側から働きかけない限り、処方が変わる機会がない、というのが実情です。
製薬会社側と医師との接点はMRが1番持っているので、医師の行動変容を促せるのもMRの役割となってくるのです。

自社医薬品を最大化し、目標売上を達成することが次の新薬開発費を回収することにも繋がります。

では医師がどういう時に行動変容を起こすのか。
大きく分けて、2つのパターンがあります。

1)    MRの熱量を感じた時

1つ目は医師がMRに対して熱量を感じた時です。
熱量というのは、言い換えると「MRの頑張りを医師が認めた時」になります。
頑張っているアイドルグループを見ていると、自然と推しができるそんなイメージに近いです。
製薬会社MRが販売する商材は「薬」ですが、基本的にMR対医師のコミュニケーションは人対人になります。

根本が対人関係のコミュニケーションがあるため、医師もMRの行動に心打たれることがあるのです。
「MRが自分に対してどれだけ頑張ってくれているか」という目線でMRを見ている医師が本当に一定数いるのです。

例えば、糖尿病を扱っている会社の薬は同種同効薬でそこまで差はありません。
なので、言ってしまえばどの薬を使っても医師からしたら変わらないのです。
そこで最終的に「1番頑張っているMRが扱っているメーカーの薬はどれか」という判断材料になるのです。
 

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