製薬会社MRとは一体何か?【第1回】

MRの基礎

製薬会社のMRという仕事について連載依頼をいただきました。
本連載を通して、あまり知られていない製薬会社MRという仕事について知っていただき、皆様にとってMRが少しでも身近な存在になれば幸いでございます。

1回目の連載では「製薬会社MRの基礎」というテーマで、

1.製薬会社MRの仕事内容〜MRは医薬品の「情報」を届ける仕事〜
2.製薬会社MRには薬剤師資格が必要ではないの?〜文系出身者も多い〜

以上2点をまとめていきます。

1.製薬会社MRの仕事内容

シンプルに書くと、製薬会社MRの主な仕事は「自社医薬品の情報提供」です。
製薬会社で医薬品が開発され、それが新薬として世に上市された時に医師に新薬の情報をお届けするのがMRの役目になります。
MRは「Medical Representative」の略称で、日本語にすると「医療の情報提供者」となります。
あくまで「情報提供者」という位置づけであるため、自社医薬品の情報を届けるのみ、これがMRの仕事です。

一般的な営業であれば、「商品紹介→価格交渉→決済手続き→納品」という流れになると思いますが、MRが行うのは上記流れの「商品紹介」の箇所だけです。

価格交渉以降の手続きは行いません。

医薬品の営業スタイルは特殊であり、

「先生、この薬は〇〇円で購入いただけますか?」

といった値段の交渉は医薬品卸という業者が行います。
一般的な営業(車や電化製品など)であれば、価格交渉も考慮した営業を行いますが、MRは「医薬品の情報」しか扱うことができません。

そのため、MRが医師に自社医薬品の情報を届け、情報提供した医薬品が採用となった後には医薬品卸業者にバトンタッチするという流れになります。

流通に関しても、医薬品は医薬品卸さんの手によって医療機関に届けられます。
 

(引用:https://www.alfresa.co.jp/recruit/ourworks/

 

薬の情報提供のみを行うというのは例えば

・薬剤の効能・効果
・薬剤の副作用
・薬剤の薬理作用や薬物動態

などを紹介することになります。

ただ、医薬品の情報提供のみなら薬の添付文書を読めばいいのではないか?と思うかもしれません。
確かに、インターネットが普及した現代では医薬品の商品名を調べると、添付文書が出てくるので、自分でも確認することが可能です。

しかし、添付文書や文献の医薬品情報というのは、エビデンスという情報は手に入りますが、商品の生身の情報を手に入れることはできません。
新薬が出た直後や、これまでになかった効能を持っている医薬品の場合は、医師は処方に慣れていないため、できるだけ多くの情報が欲しい、ということを思っている医師はたくさんいます。

何もMR自身が持っているのは自社医薬品の情報だけではなく、

・発売した薬のKOLの使用状況
・エリアで影響力の高い医師の薬剤の使用状況

など、自社医薬品がエリアや全国でどのような使われ方をしているのか情報を持っています。
添付文書を見れば、データや数値は分かるかもしれませんが、上記のような情報は複数の医師と情報交換するMRだからこそ把握できます。
 

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