基礎からのGPSP【第8回】

 

~調査等実施計画書の作成①~


1. 概要
調査等実施計画書とは、医薬品リスク管理計画書(平成25年4月以前は製造販売後調査等基本計画書)にて明らかにした、製造販売後に検出しなければならない情報や、収集しなければならない不足情報を確認するための使用成績調査や疑問点・不確定情報を検証するための製造販売後臨床試験の具体的な方法や進め方について、製造販売後調査等のガイドラインやICHで示されている手法等を取り入れて文書化したものである。

 

1.1 変更・追加計画の検討
社内関連部門との調整を図る上で重要な点は、安全性管理部門や製造販売後調査等管理部門がどの時期から当該医薬品とかかわってきたかにある。最近の安全性管理部門は、製造販売後の医薬品の安全確保業務だけでなく、治験薬を含め臨床試験の段階からの場合が多いが、調査等管理部門においては、
 • 臨床試験開始時
 • 第Ⅲ相臨床試験開始時
 • 承認申請資料作成時(添付文書・医薬品リスク管理計画)
 • 面接審査開始・最終段階
 • 承認目前
の各段階が考えられるが、理想的に考えるなら、通常どの会社でもおこなわれる、非臨床試験終了後の開発計画検討会等で議論される臨床試験計画設定の段階からかかわるのが理想である。
かつては、開発の最終段階からのかかわりの開始であったが、医薬品リスク管理計画書の提出が、申請時に必要となってからは、理想の姿に近づきつつあるといえる。それというのも、臨床試験計画設定の初期段階から、承認前に検証しておかなければならないこと、製造販売後で確認すればよいことをあらかじめ設定することで開発期間の短縮にもつながることになるからである。
 

 
1.2 計画の立案
管理部門としては、社内関連部門と何の調整が必要かから模索していかなければならない。承認申請期及び上市後を見据えて
 • 開発関連部門
  ▹ 開発コンセプト
  ▹ 製品特性
 • 製造販売後関連部門
  ▹ 販売コンセプト
  ▹ 使用実態状況
 • 安全管理部門(調査等管理部門と別組織の場合)
との調整と関連する情報について提供してもらう必要がある。
開発コンセプトからは、当該物質の医薬品としての存在意義が何なのかを把握し、関連する疾患及び治療法につき十分に認識し情報を整理するとともに、当該物質の各段階で収集された情報を精査し、製品としての特性を熟知する必要がある。
販売コンセプトからは、医薬品としての使用価値は何なのか、適応疾患の日常診療における治療方針は如何なるものか、薬物治療における使用実態や問題点は何であるかについてまで考察する必要がある。
その理由は、製造販売後調査等の計画立案するうえで必要となってくる基本的情報であり、特に、使用成績調査においては日常診療下での使用実態の把握をするために実施するのに、それと全く違う調査項目等を設定してしまい、実施不可能な計画となってしまうことを避けるためにも重要なことであるからである。
なお、安全性管理部門と別組織の場合は、安全性情報の共有が日常業務において、恒常的にできる体制であることが前提となっているが必須である。
 

 

 

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