基礎からのGPSP【第1回】

~GPSPことはじめ①~

はじめに
GPSPGood Post-Marketing Study Practice)は、製造販売業者等が行う製造販売後の調査及び試験に関する業務が適正に実施され、また、再審査及び再評価の申請を行う際の資料の信頼性を確保するために、遵守する事項を規定した基準です。GVP概論で述べたとおり昭和54年の再審査制度導入に伴い様々な経緯を経て、平成17年にGPMSPから製造販売後の安全管理業務に関する部分を分離し、再審査・再評価申請資料の収集・作成のための調査及び試験に関する部分の基準として規定されたものです。これにより、製造販売業者等は、安全監測体制を会社の規模に応じ様々なかたちで構築できるようになった。(経緯の詳細は「基礎からのGVP ~ GVPことはじめ  ~」を参照ください)

 

1. GPSP省令
GPSP省令は「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」として全12条からなり、その主な内容は、趣旨、用語の定義にはじまり手順書を定め、管理・実施の責任者を任命し、医薬品を評価するうえで必要な調査等を計画・実施・管理を如何にすべきかを基準として示したものである。また、これらの調査・試験実施に必要な体制を如何に確保すべきかについて、点検・教育・委託そして記録類の保存についても定めたものになります。
なお、GPSP省令には医薬品とともに医療機器、再生医療等製品に関する規定もありますが、その骨子は同様になります。

 

1) 趣旨(第1条)
本基準は、医薬品の製造販売業者等の行う製造販売後の調査及び試験の業務に関して遵守すべき事項を定めるものとする。 このGPSPが適用されるのは医療用医薬品であるが、ただし、体外診断薬とパッチテスト用医薬品は除外される。なお、製造販売後調査のうち製造販売後臨床試験については本基準の他、GCPも適用される。
2) 用語の定義(第2条)
本基準中における用語「製造販売後調査等」、「使用成績調査」、「特定使用成績調査」、「製造販売後臨床試験」の定義は各々次の通りである。 
① 製造販売後調査等:医薬品の製造販売業者等が医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、検出、確認又は検証のために追加の安全性監視活動として行う使用成績調査又は製造販売後臨床試験をいう。 
② 使用成績調査:診療において、医薬品を使用する患者の条件を定めることなく、副作用の発現状況並びに品質、有効性及び安全性に関する情報の検出又は確認を行う調査をいう。
③ 特定使用成績調査:小児、高齢者、妊産婦、腎機能障害又は肝機能障害を有する患者、医薬品長期使用患者等使用する条件が定められた患者における副作用の発現状況並びに品質、有効性及び安全性に関する情報の検出又は確認を行う調査をいう。
④ 製造販売後臨床試験:治験又は使用成績調査の成績に関する検討を行った結果得られた推定等を検証し、又は診療においては得られない品質、有効性及び安全性情報を収集するために承認用法・用量、効能及び効果に従い行う試験をいう。
 

3) 製造販売後調査等業務手順書(第3条) 
製造販売後調査等を適正かつ円滑に実施するため、次に掲げる手順を記載した製造販売後調査等業務手順書を作成し、これを保存しなければならない。 
① 使用成績調査に関する手順 
② 製造販売後臨床試験に関する手順 
③ 自己点検に関する基準
④ 製造販売後調査等業務に従事する者に対する教育訓練に関する手順
⑤ 製造販売後調査等業務の委託に関する手順 
⑥ 製造販売後調査等業務に係る記録の保存に関する手順 
⑦ その他製造販売後調査等を適正かつ円滑に実施するために必要な手順 
4) 製造販売後調査等管理責任者(第4条) 
① 製造販売後調査等に係る業務を統括する製造販売後調査等管理責任者を置かなければならない。 
② 製造販売後調査等管理責任者は、販売に係る部門に属する者であってはならない。

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