エッセイ:エイジング話【第46回】

ワクチンへ異物から考え
ワクチンバイアル中に異物が見付かったニュース(2021年8月)を聞き、私なりに考えていました。このニュースは、高齢の母親への新型コロナワクチン接種に立ち会った頃であり、私自身も接種後の体調変化に悩んでいた時期でもありました。
一方、ワクチンの主要原料となるWFIを製造する仕事に携わった者として、安全な水を継続して準備する基本作業を、ここで整理したく思っていました。
WFI:water for injection
二十世紀終焉の頃に、私はワクチン製造現場の仕事に係わりました。このワクチン製造所は、他の現場とは異なる大袈裟に云うなら二十一世紀に相応しい観点があり、その実行を模索しました。
ワクチンは供給する期間が限られ、品目によっては需要が切迫することがあります。これはパンデッミック時に限らずに言えます。これに対応できるような施策を、ユザー側と施工側それぞれの立場で模索しました。
ここは、輸液など大容量注射剤が年間を通し一定の量を供する製造体制であるのに比べ、ワクチンは接種する期間を想定し、そこから遡って製造計画を季節的に設定します。
輸液:水分や栄養素などを非経口的に投与すること。
私の世代は、天然痘ワクチン・日本脳炎ワクチンを決まった学童時期に接種しました。このため、ワクチン製造所は古くから決まった時期にかつ多量な量の供給が求められ、これに適するよう念密な製造体制を用意する必要がありました。
四半世紀前に係わった現場は、ワクチン製薬用水に対し起こり得るトラブルを防ぐ施策を、フィッシュボーンという手法で要因分析しました。その施策となった具体例を挙げると、
① 機械が故障したとき即時に対応できる。
② 消耗品が劣化したとき即時に対応できる。
③ 電力が途絶えたときに代替えラインを持つ。
などです。
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