医薬品のモノづくりの歩み【第10回】

変化に対応するマネジメント(2)

前回は、医薬品の「モノづくり」を取り巻く環境変化に対応するマネジメントとして、人材育成の視点で三つのマネジメント要素について記載してきました。
本稿では、この継続する変化の中で、どのように組織運営するかについて、お話したいと思います。

 図1の「マネジメントの本質」で示しましたように、図のドーナツの輪の中にあるのが、人材育成で、ドーナツの本体部分が、組織運営のイメージです。この人材育成の中心にあるのがモノづくりの知識です。QCDおよびSEです。この知識は、直接部門、間接部門にかかわらず医薬品製造工場に勤務する者として、安定品質・原価低減・安定供給および安全衛生・環境保全について、ここまでは知っていて欲しいという位置づけのもので、日々の業務を通して常にレベルアップも図っていきます。さらに、業務を通し経験を積むとOJTを通し知識が増えます。それをベースに、自己研鑽を加え、各分野で技術力をレベルアップしていくことになります。さらに、属人的になりますが、現場経験を積み重ねると、知識と共に、技能が身についていきます。スタッフでは様々な知恵・工夫が生まれてくるでしょう。このような人材育成(技術力アップ)を、マネジメントとして仕掛けていくことが、組織マネジメントの基本です。日々の問題は、技術力(現場力)で解決するのです。

 次が組織運営です。図1のドーナツの本体部分です。日々の業務の中で、様々な問題がいろいろな角度から発生します。現場力を発揮して、それらを解決するために、必要な情報を入手しなければいけません。アナログ情報もあれば、各システムから得られるデジタル情報、社内外からのネット情報、これら膨大な情報から必要な情報を収集、分析そして解決策の立案・実行へとつなげなければいけません。ここで、重要なことが、必要な情報を必要な時に必要な人に届けているかということです。情報過多の状況の中で、重要なことは、明確な指示、どういう情報が必要で、誰がいつまでに何をやるのかが、明確でなければ、組織は動きません。マネジメントの目的は、個人をいかし、チームで成果を上げることで、その先頭でリーダーが、明確な指示を出すことは必須のことで、これができて初めて、効率よく解決策が導き出せます。

 

 

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