タレントマネジメント【第4回】

タレントマネジメントの目的_3

タレントマネジメントについて執筆者へインタビュー。動画も併せてご覧ください。

 

前回記事、“タレントマネジメントの目的_2”を多くの方に読んでいただき誠にありがとうございました。

今回はより具体的な施策として、

b.目的達成のための必要条件(具体的活動項目)3点
  4.人材ポートフォリオ策定と運用
  5.ポジション管理のルール策定と運用
  6.働きやすさとエンゲージメント(次回)

に、ついて記していきます。


b.目的達成のための必要条件(具体的活動項目)3点
  4.人材ポートフォリオ策定と運用

まず、人材ポートフォリオと聞いて何を意味するかパッと答えられる方は少ないのではないでしょうか?

これは一言でいうと、

いつ、どれくらい、どの程度の、いくらで、人材が必要になるかを可視化

したものだと思っていただけると幸いです。これを可視化しておくことによって、将来必要な人材を採用するべきか、教育するべきか、配置転換するべきかなどの意思決定の材料とします。代表的な例として、下図のようなポートフォリオがあります。
 

この図の意味するところは、新しいことを創造する or 定型的な作業を行うかどうかをx軸に、個人 or 組織で仕事を行うことが多いかどうかをy軸に置いたものです。実際に利用する場合は、一つひとつの箱をさらに、「男・女」や「年齢構成」、「等級」などで細分化します。そうすることで自社の人材構成が把握しやすくなります。但し、この例はどこの企業でもある程度当てはまると思いますが、汎用的すぎるので次の図を御覧ください。
 


この例は製薬工場をイメージしたものとなっており、先程と違うのは現在の人員数を加えたものになっている点です。さらに緊急度(人員過不足予測)をコメントしているので、人材の採用や配置の指標となります。実務として行う場合は半期ごとなど定期的に数値確認を行うこと(いわゆるKPI管理)、また他の切り口(x軸y軸)を常に模索し自社全体や部署ごとの最適なポートフォリオを策定することが求められます。

また同時に、要員計画を作成しておくことが必要となります。次の図は先程のポートフォリオを基に作成した要員計画の例となります。
 


このように具体的な必要人員数及びそのための打ち手を可視化することで、誰が何をするべきかが明確になります。業務の生産性を考えると、少なくとも3~5年位単位で必要な人員を確保していかないと、◎人材が定着することはないのではないでしょうか。

もう一つ、ここで詳細は記しませんがサクセッションプランニング(後継者候補育成計画)とポジションプロファイル(人材要件/コンピテンシー・専門スキル・経験・本人の意向など)は丁寧に作成しておくことをお勧めします。なぜなら自社にとって優秀な人材ほど他社にも優秀、つまり採用が難しいからです。何を当たり前のことをと言われるかもしれませんが、私が過去お仕事をさせていただいたほとんどの企業が目先の人材管理しかできる仕組みがなく、結果として継続的に成果を出せる仕組みを持っていなかったからです。人材流動率が上がっていると巷で言われておりますが、それは一部の企業の中で一部のジョブホッパーが行ったり来たりしているだけ、まずは自社にいる人材が如何に成長していくかを考えたいものです。
 

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