WFI製造プロせすへの思い【第7回】

7.  蒸留器へ疑問の持つ人達の存在

 蒸留による注射用水製造に対して疑問を持つ人達がおりました。今回は、この疑問の背景とその対応の話です。
1) 蒸留器へ疑問を持つ人達の存在
 蒸留器はWFI(注射用水)を製造する最終装置として世界中で使われ、イオン交換水を蒸留器へ通水することにより、WFIを得るという流れが永く一般的でした。ところが、1970年代には、蒸留器性能に対して、疑問を持つ人達が日本に存在しました。
 この疑問とは、イオン交換塔から流出するWFIに含まれてはならないPyrogenが、蒸留器へ流入したとき、「蒸留器はPerfectに所定の濃度未満までPyrogenを排除できるか」という命題です。
 1970年代の日本薬局方各条には、「注射用蒸留水」という項目があり、蒸留水=WFIが徹底されていましたが、蒸留という単位操作に精通している人にとって、蒸留操作は飛沫同伴によって、「水滴が水蒸気へ混入する」ことが周知の事実だったのです。
 
2) 蒸留と濃縮物
 水を蒸発させる単位操作は、不純物を分離する手段として、最も確実とされておりました。原水中の溶解成分は、蒸発しませんから蒸発缶で濃縮されます。濃縮物は濃縮水として系外へ排出されるしくみですが、残留した濃縮物は缶体に蓄積してゆきます。
 この缶体に蓄積した濃縮物は、蒸留器停止時に除去してやる必要がありました。試験室に置かれた小型蒸留器内を覗かれた方はご存じでしょうが、内部にはスケールが認められます。スケールが発生すると、蒸発能力低下が起こりますから、定期的に除去して蒸発能力を回復させておりました。
 大型の蒸留器では、その都度除去も大変だったのでしょう。蒸発させてもスケールが発生しない純水を、蒸留器へ供給するようになりました。純水を蒸留器へ給水することになってスケール除去操作は必要なくなったのですが、大きな落とし穴があることに、後になって気付くのです。


蒸発操作

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