医薬品工場建設のノウハウ -プロジェクトの成功に向けて-【第3章-4】

【第3章】プロジェクト基本計画(4)

監修:中尾 明夫河須崎 勝美田中 信夫
執筆:町田 進

  空調システム
(1)空調システムの検討ポイント

 空調システムの検討のためには、機器リスト、平面計画が主要なインプットとなる。さらに、プロセスブロックフローにまとめたハザードの有無や無菌/非無菌等の条件を確認のうえ、最初に以下の検討を行う。

1)空調方式を循環方式とするか、全外気方式(オールフレッシュ)とするか 
2)製造室間差圧の設定
3)空調系統をどう区分するか 
4)製造室の温湿度条件、熱負荷


(2)循環方式と全外気方式
 循環空調方式は、製造室からの排気(循環方式の場合は、空調機に再度、循環系統でリターンされることから、「還気」という)を再利用でき、省エネルギーの観点からは非常に有効である。したがって、次に記載するような全外気方式とする理由がない場合の第1候補となる。
 全外気方式については、一般的なケースとしてハザード対策が挙げられる。ハザードを扱う場合、ブースやアイソレータで製造室内に無制限に暴露することを防ぐ1次対策をとるが、ブースやアイソレータからの予期せぬリークがあった場合やアイソレータ等の封じ込め機器への搬入前の密閉容器の誤開放や破損の際、製造室へのハザード暴露が起こり得る。ある製造室にてハザード暴露が発生した場合、空調を循環方式としている場合には、同一の空調系統に接続している他の製造室までハザードの影響は及ぶ。この影響を避けるためには、ハザード製造室の排気を処理後、屋外に排気し、他の製造室への影響を避ける方式が有効である。ハザード以外にも、複数品目の同時製造を行う場合、秤量室のような共通エリアについては、ある品目の空調経由により、別の品目への飛散を防ぐために一部、全外気方式を採用する例や、洗浄室の面積が大きく、高湿度の洗浄室からの排気を循環して他の製造室への湿度コントロールが不安定になるのを防ぐ場合にも採用例がある。



図9 循環方式と全外気方式

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