<ヴァイサラ>DI対応の次世代型ワイヤレス環境モニタリングシステム

記事投稿:ヴァイサラ株式会社

GDPガイドライン発出を契機に温度管理の必要性が広く認識され、直近では新型コロナウイルス感染症のワクチン開発が進められる状況下において、品質確保における温度管理の重要性が注目されています。また、日常業務においてはデータインテグリティなどの各種規制要件への対応に多くの時間が必要となり、業務負担増加の環境下でいかに効率を向上させるかが課題になっています。
業務効率の観点では、温度モニタリングシステムは着実に進展を遂げてきました。かつての手書き記録の時代から、ペーパー記録計、ペーパーレス記録計へと次第に進化し、さらに“記録”から“監視”へと目的がより本質的に変遷する中で、データロガーを用いたネットワーク型モニタリングシステムが開発されて来ました。
ペーパー記録計もネットワーク型モニタリングシステムも記録すること自体は同じですが、設計面で大きく異なります。センサ個別に電源が必要なペーパー記録計型に対し、ネットワーク型ではデータロガーへの電源が不要で、一定のメモリを搭載した記録機能があるため、停電やネットワークダウンリスクにも強く、連続的な記録が可能になります。また、アナログ信号ではなくネットワークケーブルを利用するネットワーク型は、工事そのものの負荷が軽減される点でも大きなメリットをもたらします。
運用全体のライフサイクルの観点で考えると、キャリブレーションの面でもネットワーク型はシンプルです。ペーパー記録計型はセンサ単体、記録計単体、両者を組み合わせたループ校正という3つのステップが必要ですが、ネットワーク型では計測値が誤差なくサーバーへ届くため、校正対象機器が末端ロガーのみとなります。

モニタリングシステムのデジタル化とデータインテグリティ
データインテグリティ(DI)対応の要素として挙げられるのが、まずデータキャプチャです。ペーパー記録計型では時としてデータの改ざんや誤り、保管などにおいてリスクが存在していましたが、ネットワーク型ではロガーから直接キャプチャすることができます。そしてこのデータはアクセスコントロール下にあり、レポートは堅牢なフォーマットで作成され、監査証跡によりすべてのイベントをトレースすることができます。

このようなトレンドに伴い、ネットワーク型ではここ数年、ワイヤレス型システムが採用され始めています。物理的にLANケーブルでつながっている有線との違いが現場のリアルライフにもたらす影響は想像以上に大きなものです。有線は、ロガー、イーサーネットコンバータ、サーバーの3要素からなり、大容量メモリでバッテリ寿命が長いことが利点です。一方、ロガー、アクセスポイント、サーバーから構成されるワイヤレス型は機器配置の自由度が高く、レイアウト変更に柔軟に対応できるのが特長で、現場に業務効率と高い設計の自由度をもたらすことができます。電池を用いるため、有線と比較してバッテリ寿命の面での課題が指摘されていましたが、昨今では1年以上の電池交換不要も実現されています。ただし、ワイヤレスでは、通信に多くの電力を使うため、電波状況が脆弱な場合は電池の消費量に影響が出ます。

通信を取り巻く環境としては、通信距離も重要な要素です、ワイヤレス型の中でも、アクセスポイントと1対1で通信するスター型と呼ばれる方法は、通信は安定しますが通信距離に制限があります。長距離通信を得るために考案されたのが、データが中継器を挟んでバケツリレーされる仕組みであるメッシュ型というシステムですが、メッシュ型では中継器にもバッテリーや電源が必要になるのが難点であり、通信距離という課題に対する根本的な解決には至らなかったのが現状でした

ヴァイサラが新たに提供する『次世代型VaiNetワイヤレスモニタリング環境システム』VaiNetでは、『LPWA(Low Power Wide Area)』という無線通信方式をベースに、独自の最新技術を組み合わせた通信技術が採用されています。その大きな特長は、通信距離の長さにあります。従来は直線で見通し約20mほどでしたが、VaiNetは約100m(※条件により通信距離は異なります/約80m~100m)までの長距離化を実現しています。「LoRa変調(チャープ・スペクトラム拡散)を用いた920MHz周波数の通信に独自技術をプラスし、データの圧縮とセキュリティ向上を図り、長距離通信とともに高いセキュリティを確保しています。また、障害物を回避する周りこみ特性に優れ、扉や壁への透過性、ラック、ネステナなどの金属を回避することができるため、優れた到達性を誇ります。さらに、アクセスポイントは最大32台のロガーと通信することが可能で、IPアドレスがアクセスポイントのみに付与されるため、アドレス数を最小限にできることもメリットとなります。

VaiNetによって拠点間を統合することで、温度モニタリングによるコスト減につなげる統合型管理や、クラウド、データセンターへの活用についても既に導入実績が多数あります。DI要件にも対応し、デジタル化のメリットを最大限享受するための新技術を備えたVaiNetは、これまでの課題を解決する選択肢になるとともに、次世代型の環境モニタリングを実現するシステムとして、私共は自信をもってお客様に提案をしています。

 

◇◇◇ ウェブセミナー開催 ◇◇◇
演 題
「次世代型テクノロジーが変える環境モニタリングの新常識~格段に向上する設計の自由度とリモートモニタリングの今」

講 師
ヴァイサラ㈱
産業計測営業本部 中部・西日本地区システムセールス
セールスマネージャー池ヶ谷 愼一郎
開催日時2021 年7 月6 日㈫15 時~(14:45よりログイン開始)

対 象
医薬品製造分野における品質保証/
品質管理責任者/物流責任者/保管倉庫責任者
参加費 無料(事前登録が必要になります)

お申込みはこちらから(url link)
https://www.vaisala.com/ja/events/webinars/lp/VaiNet-Webinar-202107?utm_medium=other&utm_source=GMPP&utm_campaign=VIM-APAC-JA-CMS-Default-Trademedia-GMPP

概要:
本ウェビナーでは、過去のウェビナーの視聴者様やユーザ様から寄せられたご質問やコメントに回答する形で従来のモニタリングシステムとの違いや、実際の導入や運用にあたっての課題点とともにヴァイサラが考える新常識としてのリモートモニタリングに関して製品デザインの面からお話をさせて頂きます。


■■■セミナーについてのお問い合わせ■■■
ヴァイサラ株式会社 マーケティングWebセミナー事務局
TEL:03-5259-5965 Email:marketing.japan@vaisala.com

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