初めてのGDP(医薬品適正流通基準)【第3回】
1.はじめに
筆者はGDPガイドライン策定のための厚労省のGDP研究班で、3年間にわたりGDPを検討してきました。この間、研究班ではわが国の物流の実態を踏まえて、GDPの在り方を論じてきました。これからの連載では、こうした知見をもとにGDPガイドラインの重要な条項について解説してゆきたいと考えています。
今回はそれに先立ち、GDPガイドライン策定の基本方針についてご説明します。
2.自主ガイドラインであること
GDPガイドライン発出に関する厚労省の事務連絡では、「(関係する事業者は)本ガイドラインを参考に業務を実施いただくよう(以下略)」とされ、このガイドラインは企業が自主的に運用を図る、いわゆる自主ガイドラインにあたります。従って、GMP省令のように拘束力のあるものではありませんし、卸売販売業の業許可の要件でもありません。
それでは、自主ガイドラインだというので、神棚に祭り上げ、対応しなくてよいのでしょうか? もちろん、そうではありません。
GDPガイドラインは拘束力のある様々な法令に結びついており、それらの法令によって規定されています。例えば、ガイドラインの第3.2.5条です。ここでは「特別な取扱い上の指示が定められた製品の保管」について定められていますが、この条項には、薬機法をはじめ、麻薬及び向精神薬取締法や覚醒剤取締法、消防法などが関連しています。従って、当該の条項はこれらの法令の拘束を受けることになります。ここに挙げた例は一例に過ぎません。GDPガイドラインは自主ガイドラインであるとはいえ、このような関連の法令の規制を考慮する必要があります。なお、前回の連載で大阪府による「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン解説書」をご紹介しましたが、この解説書ではガイドライン各条に関連する法令等が示されており、皆様方のご参考になると思います。
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