製薬用水の実践知識【第5回】水処理はろ過から
はじめに
河川水など自然界にある水には、様々な物質が含まれますが、濁質など肉眼で見える物質はろ過によって、取り除くことができます。
井戸水は濁質をろ布で漉せば、大方は飲料水とすることができます。例えば、災害時には、きれいなハンカチと煮沸する手段があれば、雨水から飲料水を得ることができます。今回は、水処理における「きほんのき」である、ろ過の話です。
河川水など自然界にある水には、様々な物質が含まれますが、濁質など肉眼で見える物質はろ過によって、取り除くことができます。
井戸水は濁質をろ布で漉せば、大方は飲料水とすることができます。例えば、災害時には、きれいなハンカチと煮沸する手段があれば、雨水から飲料水を得ることができます。今回は、水処理における「きほんのき」である、ろ過の話です。
1. ろ過器の種類
水処理はろ過による濁質除去から始まったと言っても良いでしょう。ろ過は小規模においてろ紙やろ布で漉しますが、大規模においてはろ材を容器に詰め、一方から通水してろ材の隙間に濁質を捕捉してろ過水を得ます。
ろ材には砂利・石炭を砕いたもの・石榴石・プラスチックペレットなどが使われます。活性炭もろ材として利用可能ですが、筆者は薦めません。その理由は活性炭が濁質等で汚れると、本来の機能が発揮できなくなるからです。ろ過塔―活性炭塔の順序で設置するのがベターです。
ろ過は、濁質を捕捉する場所から、表層ろ過型と立体ろ過型に区別されます。従来、浄水場にて使われてきた緩速ろ過器は表層ろ過型です。
表層ろ過型とは、ろ材の表面近くにて濁質を捕捉するろ過方式であって、一般に、余り濁質が多くない原水を対象として、ゆるやかにろ過が行われます。
立体ろ過型は、ろ材の奥深くまで利用して濁質を立体的に捕捉するろ過方式であり、通水速度も表層ろ過と比べて早くなり、比較的濁質が多い原水が対象になります。
通水形式としては、ポンプ圧を利用する圧力式ろ過器と水頭差を利用する重力式ろ過器があります。
ろ材と支持材から成る単層式、アンスラサイト(石炭を砕いたもの)と砂をろ材とする二層式、更に三層以上をマルチメディアフィルタと呼んでいます。
通水方向により、ろ過層上部から下部へ向かって通水する下向流方式とろ過層下部から上部へ向かって通水する上向流方式があります。
単位ろ材体積当たりの濁質捕捉量は、表面のみで濁質を捕捉する表層ろ過型よりも、立体ろ過型の方が大きいのですが、捕捉した濁質を洗浄排出するには、それぞれ工夫が必要になります。
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