医薬原薬の製造【第7回】

前回、爆発火災の理論を詳細に述べましたので、今回は、理論を踏まえた上で、工場現場でどんな爆発火災防止対策が取られているのかついて詳述していきます。
 

まずは、現場のどこで静電気が発生するか?について考えます。
 

1.配管中に溶媒を流す
 溶媒をタンクからタンクへ輸送するとき、配管中を溶媒が流れていくことになります。配管と溶媒の間に静電気が必ず発生します。一般に配管は金属でできていますので、配管はアースされているのが普通です。配管がアースされている場合、金属配管側の静電気はアースに流れ込み、配管は帯電していない状態になります。

 しかし配管がアースされていない場合、発生した静電気は金属中に蓄積されていきます。帯電した溶媒は次々と流れていくので帯電していない溶媒が供給されてきます。一方、金属配管の方は固定されたままですから、金属配管と新たに供給された溶媒の間に静電気が発生します。このようにして、アースされていない金属配管には静電気が蓄積されていきます。この静電気を蓄積した金属配管にアースされた金属が近づくと、スパークが生じます。周囲に爆鳴気がある場合、爆発へとつながります。このような爆発例は数多くあります。

 酢酸エチルのような導電性溶媒の場合であっても、アースされていない金属管を流すと、静電気が蓄積します。アメリカで事故例が報告されています。この例は、酢酸エチルを合成ゴム配管を通して小型タンクに移送中の事故です。ゴム配管の先には金属のカプラーと、ボールバルブが接続されており、その先のノズルもプラスチック製でした。この金属のカプラー、ボールバルブはアースされていないので、静電気を蓄積し、金属製タンクとの間でスパークが生じ、酢酸エチルに引火したとされています。

http://crf.flib.u-fukui.ac.jp/dspace/bitstream/10461/4260/1/KJ00000146580.pdf
 

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