「モノづくりの君へ」【第5回】

【第5回】
1.生産事故は「変更」したときに起きる
2.変更管理制度
3.異常には2種類ある

 
 前回はモノづくりでは生産事故は必ず起きる事を前提に、異常とは?それを現場内でみつけたら・・・・等々について述べたがさらに「生産事故はどんな時に起こるか」、「起きないようにするには」、「管理する立場から生産事故についてわきまえておかねばならないこと」を述べる。
 
1.生産事故は「変更」したときに起きる
 
 モノづくりが定常的且つウマくいっているときには、通常、事故は起きないものである。(ただし幹部・管理者は、「安定なときこそ意識しないままに事故の要因が刷り込まれつつあることに注意すべきである」ことは別の機会に述べる)
生産事故が起きるのは何らかの「変更」「変化」があった時が一番多い。しかもこの変更は、コストダウンや品質向上のための活動により意識されての変更や変化ばかりではない。気付かない間に起きている変更や変化もある。
 
 少なくとも意識して変更するときは慎重に実行するべきである。とくに原料や材料の変更は慎重でなければならない。経験で言うと、原料・材料の変更によるトラブルが一番多くまた被害も大きい。また、どの企業もすべての原料・材料を自前で用意することはなく、必ず外部から購入するモノがあり、外部からのそれは「特に」要注意である)また、変更した部分だけを評価してGOを出す場合もあるが、変更した部分が製品の他の部分への影響も見逃してはならない。この点で失敗する例も多い。
 
 筆者の場合もよく経験した。IC回路はブロック毎にわかれているが、ブロックのほんの一部を修正した時、そのブロックの検証を充分に行いGOを出したら、修正箇所が他のブロックまで影響していたとか。
 
 この場合は、変更点以外の評価はどこまでやればよいかということになるが、「みんなで」いろいろな立場から見て、それぞれの専門家から見て決めればよい。それでも事故が起きたらこの生産部門にはことを見抜くその力がなかったということであきらめるしかない。反省して次の糧にすることだ。
 
 このような変更に対するトラブル撲滅にヌケがないようにするために、「変更管理制度」というもがある。本制度の趣旨は、「変更」を、「事前に」「関係部門で」(立場の違うみんなで)多面的に検討し、評価ヌケのないようにしようとするものである。

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