「モノづくりの君へ」【第17回】

【第17回】 モノづくりの「人づくり」(1)
1.「人」と「機械」が製品をつくる
   -メーカーは製品もつくるが「人」もつくる-
2.現状、工場にとって人づくりの課題
3.「人づくり」の留意点
4.筆者が描く5年後の人材像(担当者・実務者・作業者)
5.筆者が描く5年後の人材像(幹部・管理者)

 
1.「人」と「機械」が製品をつくる
   -メーカーは製品もつくるが「人」もつくる-
 
 製品づくりが自動化・ロボット化されている今日、完全無欠な生産機械があれば製品は"人を介することなく"続々とつくられると思われるかもしれない。故に完全自動化すれば作業する人は不要ではないかと言われることがある。
 しかしこれは間違いである。「機械は壊れる」ものである。その機械を修理・修繕するには必ずインテリジェンスの高い人が必要である。表(おもて)の人は要らなくなってもそれを支える裏の人が必要なのである。
 さらに重要なことは、現場ではたえず生産性向上、品質向上のため設備が改良・改善され、製品(商品)においてもお客様のため日々改善・改良される。設備もそれに合わせて姿を変えていく。そもそも日々改善されないような製品をつくり続けたり、同じ設備を改善の無いまま使い続けている会社や工場はいずれ破たんする。新製品、新技術が新たに導入されないため発展がないからだ。全く同じの製品は必ずいつか市場から姿を消す。同じ技術はいずれ陳腐化する。新製品が導入されるということは従来の製造機械ではできない新規な部分・新規な技術が発生し、改良・改善のために「機械と人とのかかわり」が必要になる。機械だけが製品をつくるのではない。
 そのためには、「継続的」な人材育成が絶対欠かせない。
 上記は製造機械について述べたが「モノづくりすべて」、さらには「仕事」と置き換えても同じことである。
 某洗剤メーカーでは、消費者の知らないうちに、使いやすさ・コストダウン・生産効率アップのために外箱が変わっているのである。それも年数回。紙の厚さを薄くしたり、内部の構造を変えたり・・・・それに合わせて設備も人の手によりそのたびごとに日々改良・改善活動が続けられている。
 以上、直接のモノづくりの例から『人』の重大性を述べたが、家内工業は別として、「組織」として動いている集団である会社や工場では、「作業者」と「middle」という「人」が製品をつくるのである。(作業者だけがモノづくりを担っているわけではない)主として作業者が直接のモノづくりを、middle層が組織の運営(改善・改革)を担っているのである。組織にとってはmiddle(30代~40代)が重要な役割を果たし、会社・工場という組織は管理者が動かすと言っても過言ではない(middleの重要性については後の「強い会社はmiddleが強い」の項を参照されたい)。
 とかく従来、直接の作業者の中で"作業をよくやれる優秀な人"が自動的に管理者に登用される傾向があったが、本連載で言っているように作業者と管理者はその役割が違うのである。
 会社という組織にとって優秀な作業者と優秀な管理者が必要なのであるからその両者の「継続的な」育成は欠かせない。
 冒頭の、『メーカーは製品もつくるが「人」もつくる』という言葉は松下幸之助氏が新聞記者からの「御社は何をつくっているのですか?」という質問に答えた言葉である。すばらしい、今更ながら含蓄のある言葉である。
 機械が製品をつくるのではなく、作業者とmiddleそして機械が製品をつくるのである。

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