変革を迎えた2017年ベトナム医薬品業界

ここ数年、東南アジア諸国がPharmerging Market(医薬品新興国市場)として顕著なスピードで発展しており、その中先駆者と認められるベトナム医薬品業界も急速に注目を集めている。2010-2015年の期間で、ベトナム医薬品市場のCAGR(年平均成長率)は17%弱となっており東南アジア地域のみならずアジア全域でも最も高いレベルにある。BMIによると、ベトナム医薬品市場は2020年まで引き続き世界TOP20の成長率が高い国として位置付けられており、医薬市場は66億ドル規模に拡大すると予測されている。(2015年度は35億ドル)。
この様なベトナム医薬品産業に大きな変化の波が押し寄せている。一つは民営化の流れであり、もう一つは新薬事法の施行である。
 
株式化、民営化
ベトナムは共産主義共和国の1つであり、政府の規制強いイメージがあるが、1986年に“Doi Moi”政策導入を皮切りに、WTO加盟、TPP協定締結等の流れの中で資本市場化傾向が急速に強まっている。その様な背景の中、政府保護対象であった医薬品業界も外資の導入が急速に進んできている。
現在ベトナムに約180の製薬会社があり、その中で外資企業は1割前後、国内資本と外資資本のJV系は約5%を占める(2015年)。
2016年4月時点で、約30の現地製薬会社が上場し、TOP10に内資系製薬会社も半分以上(7社)がその中に含まれている。
2000年代からベトナム政府は国営製薬会社の株式化を進め、徐々に100%のstate fund、国有資金撤退行動を展開し、現在は大手製薬会社からも撤退している最中である。
表1上場企業リスト
    TOP10製薬企業
 (*) Vimedimexは製薬事業ももっているが、主な事業分野は医
  薬品販売事業である(内資一番大きな販売業者)。そのため
  現在Vimedimexは外国投資家へまだ開放していない。
(**) ARMEPHACOとMEDIPHARCOは製薬事業も持っています
   が、主な事業は医療機器販売。    

この数年間の製薬企業の株式化、民営化の促進は、10年前では想像できないほどの驚くべき速度で展開している。特に2015-2017フェーズに、いくつかの衝撃的な取引がベトナム製薬業界で行われた。
 
ベトナムの大手製薬企業は、本来政府が設立した国営企業であり、ベトナム政府の管轄するSCIC(ベトナム国有資金運営管理公社)及び、ベトナム保健省の管轄するVinapharm(ベトナム薬品公社)という二つのグループに分かれる。
SCICやVinapharmは保有する株の民間への売却を進めており、2016年にはVinapharm自体の株も売却された(保健省の保有率は100%から65%へ)。
以下に代表的な動きをご紹介する。

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