【第1回】Pharma4.0と製造現場のデジタル化施策

Pharma4.0 スマートファクトリーへの挑戦 Challenge to the Pharma4.0


本コラムでは、Pharma4.0 スマートファクトリー実現に向け、医薬製造業の課題を取り上げ、解決に向けた当社の各種取り組みをご紹介します。大きな基盤づくりの方法論から、各種課題解決ツールまで、幅広くご紹介しますのでご期待ください。

1.本稿執筆にあたり、ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G ビーエンジ)のご紹介
ビジネスエンジニアリングは、1999年プラントエンジニアリング会社である東洋エンジニアリングから分社しました。東洋エンジニアリングにて、1988年ERP(Enterprise Resource Planning)領域の業務統合型パッケージであるドイツのSAP製品の導入ビジネスのインキュベーションを開始、SAP社と契約し検証環境を作り調査を開始し、日本で最初にSAPパッケージの導入パートナーとなりました。そのころまだ日本語版が無かったためSAP R/3(R/3はバージョン名)の日本語化プロジェクトを担当し、画面、マニュアルの日本語化をしました。また検証環境を利用して医薬品製造業のお客様へSAPのデモンストレーションを行い、市場での認知向上に取り組みました。
そして最初に採用いただいたお客様が医薬品製造業のお客様であったことから、GMP、CSVを経験し、以来、医薬品製造販売業のお客様へのご支援の機会をいただいています。

 

 

1995年には、お客様の生産管理に関する業務プロセスを残しつつ業務標準化を進められるパッケージが欲しいというご要望に応じ、B-EN-G自らパッケージの開発に挑みました。今現在は「mcframe」というブランドで生産管理、原価管理のほか、会計やPLM、IoT領域もカバーした製品群となっており、医薬品製造業様で多数ご利用いただいています。

 

2005年以降は、MES(Manufacturing Execution System)・SCADA・マテハンシステムのインテグレーションを経験し、ERPから設備までの垂直統合実現、2010年以降は、ラボの電子化・効率化のため、実験ノートソリューションに取り組んでいます。
そして、2011年、パブリッククラウドをGxP環境でどのようにクオリフィケーションを実施するのか、USで経験を有するパートナーと連携し、クオリフィケーションをご支援しました。
2015年以降は、Industrial 4.0の流れからIoT関連ソリューションの開発、導入、AI・アナリティクス領域の展開を進めています。
IT技術の進化、ハードウェア等の低コスト化により、ビックデータからデータ解析を行い、最適化を図る道具が揃いました。技術進化を取り入れて課題解決を進めて参ります。
そして、B-EN-Gは、ヘルスケアの未来を創るエコシステムパートナーとなって皆様に貢献します。

 

2.医薬品サプライチェーン・マニュファクチャリング領域の現状
人の健康と病気の在り方の変化に伴い、対象となる中心的な病因も、かつての感染症等の外的要因から、生活習慣病、老化による内的要因が多くを占めるようになりました。このような背景から、以前にも増して、画一的な治療から個人に合わせたオーダーメイド医療・創薬へのシフトが強まっています。あわせて、創薬のモダリティーも変遷しており、低分子医薬品に代わって、高分子医薬品(バイオ医薬品)が台頭してきています。また、中分子医薬品や細胞医薬品等、次々と新しいモダリティーが生まれています。
細胞治療、遺伝子治療等、治療薬の製造方法は異なることから製剤開発にも新しい波が訪れ新たな課題に直面しています。
新薬メーカーは、開発に投じた費用を回収するため、グローバルでクロスボーダーの最適化に取り組んでおり、R&D戦略、マーケティング戦略のみならず、生産戦略も重要なグローバルオペレーション要素となっています。
そして、後発医薬品市場では、平成25年に厚生労働省が後発医薬品利用推進のロードマップを掲げ、国民医療費の適正化を目的として「2020年度末までに80%以上の普及」を目標として推進し、現在では、この目標は達成されました。
加えて、医療用医薬品の薬価は(製薬メーカーが決めるのではなく)国が定める薬価制度によって定められており、昨今では毎年(2016年までは2年に一回)の薬価改正により薬価の引き下げが行われているという状況もあり、医薬品製造の原価率が上昇し、製造現場はさらなる生産性の向上と原価低減が求められています。

 

 

 

 

 

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