BIO International convention 視察報告

2017/07/26 製剤

 本会は2017年6月19日~22日にサンディエゴのダウンタウンにあるコンベンションセンターにて開催され、第3日目の6月21日に参加した。本会はバイオ医薬品と再生医療に関する製薬会社、CMO、CRO、投資家などが広く参加し、展示、種々の講演と教育のセッション、ネットワーキング、マッチングなどが行われるものである。本会は毎年開催され、2016年はサンフランシスコ、2015年はフィラデルフィアで開催されており、主催者によれば、2016年の入場者は16,000名余、会期中のミーティング数は35,000以上とのこと。
 
 日本の同種の大会、例えば東京ビックサイトで行われる「バイオ・ライフサイエンス研究展」や「バイオ医薬EXPO」などには筆者も何度か参加したことがあるが、今回のBIO international conventionとは似て非なるものというのが偽らざる感想である。


サンディエゴコンベンションセンター



1. 展示会場
 会場に入ったときの情景は日本のものと同様に見えた。しかし、展示会場を歩いている人は極端に少ない。1万人以上、参加しているはずなのにである。
 日本と同様、各社、各国による資料や展示物が展示されているものの、日本では説明書きや資料展示のほか、各社の実機、展示物が多種多様に並んでいるのが常であるが、本大会ではそれらは多くなく、展示ブースを見ても何をしている会社なのか、一見してもよくわからない。日本の同種の会に比較して、明らかに力は多くかけていないと思われた。また、バイオ医薬、再生医療に関するシーズに関わる展示スペースが広いのも印象に残った。日本の同種の大会では物見遊山的に参加してもそれなりに収穫があるものだが、本会においては多くは期待できないと思われる。

  1. GE社のモジュール式のバイオ医薬品製造工場KUBioシステムの説明を受ける
    シーエムプラス 冨樫会長と平島取締役。背景の人の少なさに注目。
 
 

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執筆者について

津村 治彦

経歴 元協和発酵キリン株式会社、協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社
1986年キリンビール(株)入社、医薬開発研究所配属。入社以来、バイオ原薬の生産プロセス研究、バイオ医薬品開発、製造販売承認申請対応に従事し、アムジェン社他、多数の海外バイオ医薬メーカーと協働。協和発酵と合併後、生産企画部、CMC開発部、バイオ生産技術研究所、協和キリン富士フイルムバイオロジクス社の生産開発センター長、生産企画部長を経験。在職中に日本動物細胞工学会理事および日本ISPEバイオCOPリーター経験、さらに群馬大学大学院、東京薬科大学大学院の客員教授、名古屋大学大学院の講師を務めた。2015年に退職後、バイオ医薬品CMC分野のコンサルタントおよび日本酒バーのオーナー兼店長として活躍中。
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