【第34回】Operational Excellence 実行の勘どころ 、“変革推進、品質は儲かる”

何故、変革(トランスフォーメーション)を行うのか?

 「Operational Excellence実行の勘どころ」を閲覧いただきありがとうございます。今回からは新シリーズ「変革推進、品質は儲かる」をお届けします。

 前回(第14~33回)までリーンシックスシグマ、DMAIC手法に関して、改善プロジェクトを現場目線でどのように実行するか、その「実行改善の勘どころ」を紹介してきました。
 私は約20年前にリーンシックスシグマ手法に出会い、業務の一環で10日間のリーンシックスシグマ(当時はシックスシグマ)研修に参加し、その後自分のプロジェクトを実行しました。最初のプロジェクトは習ったツールをDMAICのどこでどのように使うのか難しかったです。担当のマスターブラックベルトにコーチングしてもらい、なんとか1つ目のDMAICプロジェクトを完成させた記憶があります。苦労した分、そのときの経験は私の大きな財産になりました。リーンシックスシグマ手法をしっかりと習得するには、いくつかのプロジェクトを実行し、実際にツールを活用してみることが大切です。
 リーンシックスシグマは「業務改善」というイメージがありますが、リーンシックスシグマと業務改善はイコールではありません(リーンシックスシグマ ≠ 業務改善)。最近ではリーンシックスシグマとは呼ばず、DMAICまたはオペレーショナルエクセレンスと言いますが、収益を向上させ、従業員がより働きやすい環境、より強い企業体質を目指す活動に用いられています。
 DMAICやその中のプロセス分析とデータ分析手法では紹介したいことが他にもありますが、リーンシックスシグマ、DMAIC手法の話は一旦終了し、新しいトピックスに入りましょう。 オペレーショナルエクセレンスを実行する上での勘どころについて、昨年GMP Platformのセミナーで紹介した内容を含め、最新情報をご紹介します。

【変化に対する無言の抵抗ってありませんか】
 皆さんは、「何故、変革(トランスフォーメーション)を行うのか」、「何故、業務改善や生産性向上を続けるのか、どうして?」、と質問されたことはないでしょうか。またそれに対して、明確に答えることはできますか。この質問に明確に答えるのは結構難しいです。
 また、あなたがプロジェクトリーダーのとき、職場や関係する部門から無言の抵抗を受けたことはないでしょうか。会社や組織のマネジメントが「変化を推進しよう、「DXを活用しよう」、「トランスフォーメーションを加速しよう」と方針を掲げても、直ぐに皆が動くものではありません。反対ではないが積極的になれない理由にはいくつかあります。

 私が業務変革のコンサルティングとして依頼される会社や組織では、最初に以下のような話を耳にします。

  • 通常業務が多忙で残業制限等がある中、改善活動に十分な時間をとることはできない
  • 「変化を推進、業務改善を実施する」との会社方針が出ても、改善に向けたリソース(工数)を与えられず、結果を出すのは難しい
  • 「やって欲しい」という号令だけで、具体的ではない、現場に丸投げされる、何をするのか明確にして欲しい
  • 既にいろいろな取り組みをしていて、これ以上実施するには、予算やそのための研修が必要だ

などです。どの意見もそれなりに背景があるようで、決して間違ってはいません。皆さんも思い当たると思います。

 そこで、どのように変革(トランスフォーメーション)を進めるか、皆に納得してもらうには何が大切かを考えてみたいと思います。この点が今回のメインテーマです。
 「企業変革、スタート時の難しさ(Why 何故やるの?)」、OPEX(オペレーショナルエクセレンス)に向けた取り組み概要は第1回~第13回で紹介しました。そして、業務変革手法であるリーンシックスシグマのDMAIC(定義、測定、分析、改善、管理の5ステップ)手法については第14~33回で紹介しました。オペレーショナルエクセレンスの概要と変革手法に続き、人の気持ちにフォーカスし、どのようにプロジェクトをリードし成功に導くか、その勘どころを「一歩進んだ業務改善、納得感あるスタート~活動の仕組み作り」、「品質は儲かる」との視点でご紹介します。

最初のポイントは、変革推進を行う環境を整えるということです。この話からスタートしましょう。

 

 

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