エッセイ:エイジング話【第49回】

WFI製造自動化を考える ~その2~

 自動化を考えるとき連続的動作か否か?がポイントになります。動かす力(driving force)が与えられると、一定の操作(連続的動作)が継続します。
 例えば超ろ過は、UF膜の1次側から水圧を与え続けると超ろ過WFIが連続製造できます。一方蒸留は、蒸留器の1次側から水圧・熱を与え続けると一段目のカラムで水蒸気が発生し、二段目のカラムで冷却源を与え続けると蒸留WFIが連続製造できます。
超ろ過:ROもしくはUFをクロスフロー通水することによりWFIを製造する操作
クロスフロー:超ろ過によりWFIを製造するときの通水方法

 よって超ろ過は1つdriving forceが連続供給されることが、蒸留は2つdriving forceが連続供給されることが前提条件と成ります。単位操作が1つなのか?2つなのか?は自動化を考えるときに大きなポイントとなります。
 ろ過のdriving force である水圧を位置エネルギーとして使う重力式ろ過では、高い位置まで人力で水を運ぶこともできますが普通はポンプを使います。
 ただ、この便利な道具も肝心な時に働いてくれない体験をしました。あの2011年に起こった震災時の津波により、原子炉心へ冷却水を送るポンプが動いてくれなかった記憶は忘れることはできません。
 子供の頃の思い出は、街の路地脇(ろじわき)に井戸がありここには手押ポンプがありました。京野菜(きょうやさい)である聖護院鏑(しょうごいんかぶら)を洗うのに、冬は温かい井戸水を使ったのです。
 この手押ポンプで水を汲むにはコツがあって、子供は大人のようには水が汲めません。初動作はゆっくり力を込め、両手で微妙に押すと水が上がって来るのです。
 京都の市街地下は水瓶であり簡単に井戸水を得ることができます。お寺の境内には長目のレバーが付いた手押ポンプが在り、これだとコツが要らずレバーを上げ下げするだけでスムーズに井戸水が出て来ます。
 

 

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