医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第33回】

国際化に対応する医薬品会社に必要なHSEとは?
「日本国内製薬企業の国際的な法対応についての課題」

1、  製薬企業のあるべき姿

製薬企業の国際化多様化が進む中、国際社会は日本国内企業の国際法対応が大変な遅れを取っていることをよく知っています。医薬品会社の現場でEU各国の法律と比べて、曝露リスク管理などを徹底実施せねばならない関連の法律が不十分と思います。詳細を後にご紹介しますが、これは歴史的に日本では国民の命や健康被害は国の為に犠牲にされるという文化がまだまだ残っているのでしょうか?そんなことはないと思います。筆者の私見ですが、日本国の法律は親告主義であること。例えば健康被害問題が発生した場合や社内告発や通告があった場合に初めて行政・警察は重い腰を上げる事になります。第二次世界大戦が終わって80年以上経過しているのに・・・・・なぜでしょう?日本は鎖国をしていた国です。外国との交流や文化の取り込み方がまるで変わっていません。つまり筆者が考える第一の課題は国会議員、国の行政機関、都道府県、市町村に外国人の職員がほとんどいない事です。ここを指摘すると国の法律で国籍がどうのとか国内法の要件がどうのという議論になるでしょうね。さて、この難しい課題のおかげで日本は80年近くも変われないで来ています。結果として、問題が発生しているのです。日本には行政の組織が安全衛生課とか環境部とかの部署名で上から下まで構成されています。EUではHSE(健康安全環境)で一本化されています。また、衛生は戦後の混乱時期に回虫問題や丸坊主の少年の頭に虫が沸いて行政の仕事として消毒が行われていました。そのときのままなんです。つまり、陳腐化してしまっているのです。その間に、EU欧州ではWHO等が中心となって関連法律もどんどん変わり、リスクアセスメントでGlobal Standardが構築され、関連機関として以下に2つご紹介しておきます。

  • REACH(Registration Evaluation Authorization & Restriction of Chemicals 化学物質の登録、評価、認可及び制限に関する規則)
  • COSHH(Control of Substances Hazardous to Health Regulations健康有害物質管理規則 ハザード物質の取扱いに関する規則)

これらにより国際的な製薬工場の暴露管理Guidelineが新設され、企業では特にこの法律に従い企業の社員の健康(衛生ではない)を守ることに徹底した技術開発が進められてきました。日本も国際化多様化に対応した世界に通用するStandard、Guidelineを示して欧米から学びに来るように変わらないと世界に無視されて、日本の観光地のみ注目される国として生き残るのが厳しい時代にならないようせねばなりません。

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