スタートアップバイオベンチャー経営(栄一の独り言)【第10回】

<執筆者山口様のセミナーも開催>
核酸医薬の事業戦略構築とライセンスの実務ポイント

前回(第9回)は、mRNA医薬CDMOのKey Playerである、「サーモフィッシャーサイエンティフィック社 (パセオン社)」、「リコー(RICOH)」および「アクセリード社(ARCALIS社)」をご紹介致しました。今回は、その続きとして、「AGC」、「タカラバイオ」、および「住友化学」をご紹介致します。

4.  AGC:

AGCのバイオ医薬品CDMO事業子会社である米国AGC Biologics社は、旺盛な需要に対応するため、同社(ドイツ)ハイデルベルグ工場において、メッセンジャーRNAの製造受託サービスの提供体制を構築するとともに、その原料となるプラスミドDNA生産ラインの増設を決定し、2023年中頃の稼働開始を予定しています。
AGC Biologics社は、新型コロナmRNAワクチンで一躍有名になった独ビオンテック社からオミクロン株に対応したPfizer-BioNTech 新型コロナmRNAワクチンの原料であるプラスミドDNAの製造を受託しました。本件は、AGC Biologics社のハイデルベルグ工場での製造を予定しています。
こうやって見てくると、世界を救った新型コロナmRNAワクチンの製造にAGCや核酸医薬のCDMOの項でご説明したヤマサ醤油など、「日本メーカー」がしっかりと貢献していることが分かります。


 

5. タカラバイオ:

タカラバイオは、VLP Therapeutics Japanが国内6機関と共同研究開発中の新型コロナウイルス感染症に対するレプリコン(次世代mRNA)ワクチン原薬の製造委受託に関する基本契約を締結しました。同社はこのワクチンのGMP準拠mRNA原薬製造のプロセス全般を担う予定です。
現在、mRNA製造用酵素は、日本企業が外国からの輸入に依存し、その価格が高価なため、タカラバイオはmRNA製造用酵素を自社で製造し、mRNA医薬CDMOへ販売することも視野に入れています。因みに、mRNA原薬を製剤化する技術は富士フィルムが担います。

 

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