GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第90回】

DI(データインテグリティ)

1.データ完全性
 DI(データインテグリティ)は、GMP省令施行通知1)で示されている。
11.第8条(手順書等)関係
(2)医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書並びに同令第2章に規定する記録について、継続的に信頼性(いわゆるデータ・インテグリティ)を確保するため、同令第20条第2項各号の業務の方法に関する事項を文書により定めることを要するものであること。この場合の継続的とは、それらの文書及び記録の作成時から保管期間が満了するまでの期間にわたって継続するとの趣旨であること。
28.第 20 条(文書及び記録の管理)関係
(2)医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせる医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書並びに同令第2章に規定する記録の信頼性(いわゆるデータ・インテグリティ)の確保に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、当該文書及び記録の種類、内容等に応じて、その信頼性の確保に関して熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。いわゆる裏マニュアル、二重記録等の不正な文書及び記録はもとより以ての外であるが、医薬品の製造関連の文書及び記録の信頼性の確保については、PIC/Sの関連ガイダンス文書 PI 041 “GOOD PRACTICE FOR DATAMANAGEMENT AND INTEGRITY IN REGULATED GMP/GDPENVIRONMENTS” 等が参考になるものであること。

 DI(データインテグリティ)はGMP省令が改正され、データの信頼性確保として新たに求められた。データの信頼性確保は、データのコンピュータ化システムとして限られたものではない。GMP管理すべき記録等の文書として、紙記載書類もデータ管理としても求められるものであり、GMP管理の基本として昔から求められている。

<図1 データインテグリティ>

 データ改ざん防止として、当局等の査察で強く求められる。しかし、GMPの適合性調査時には、昔から記録類のチェックで、製造時、試験検査時に、間違いが生じていないか常時、当局は確認をした。製造業として、逸脱が生じた時、製造記録や試験検査記録で、誤りがないか確認する必要がある。その記載に間違えがあれば、逸脱が生じた原因を見過ごすことになる。正しく記録することで、品質劣化した医薬品を未然に防止することができるのである。

 

 

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