医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第30回】

「社内人材育成について考える」
「まだ取り戻せる既存社員のスキルアップ」

1、  製薬企業のあるべき姿

製薬企業の国際化多様化が進む中、従前の国内新卒者入社時教育に始まり、2年次教育、3年次教育、そして専門教育(HSE:健康安全環境など)も社内外の教育機関を使用して着実にゼロから社員を育てるための社員育成教育を行うという原則が揺らいでいるようです。これはここ30年ほどM&Aの影響でそれどころではない状況が続き、あるいは国際化多様化に対応すべく変化が起こっていることによるものではないかと筆者は考えています。気が付かれていると思いますが、他社から引き抜きやHead Huntingで採用することで専門家組織を構築し、工場事業所を稼働させてきている事例が多くあります。さて、国内企業も国際化多様化の影響で外国人の従業員を採用する、または海外の企業との業務提携や委受託契約で外国人オペレーターに生産業務やエンジニアリング業務を委ねてきているケースが多くなってきました。これにより、医薬品製造業界におけるグローバルスタンダードも変わらざるを得ないのが現状です。従って、将来3年5年を考慮した生産計画に従い生産数量の増減に対応することを考えた人員・人材を適正配置出来るよう事前性をもって人材教育を計画的に進めなければなりません。専門人材の社内育成についても、必要な知識技能技術に関する資格の取得を工場事業所全体でチャレンジすべく会社経営層や工場長が人材育成に力を注ぎ、そのための人材育成企画を推進せねばなりません。

<教育プログラム イベント事例>

  • 改善提案制度・・・・例えば、HSE(健康安全環境)の技術を取り込んだり、技術革新の提案
  • ライセンス取得者一覧表の掲示・・・・社内啓蒙意識の向上
  • 社内ライセンス制度の導入と運用・・・・各種実務レベルのスキル基準達成者一覧表掲示

上記および関連費用の会社負担や援助、合格者に祝い金や粗品の贈呈を行うなど各種スキルアップのための教育イベントを従業員の皆さんを育てることや会社への信頼関係を築くために行われてきた歴史があります。さて、国際化多様化の時代にこれらの手法で同様の成果を得ることは難しいと筆者は考えます。国際化多様化に対応する企業ごとの関連グローバルスタンダードを構築し、外国人も日本人もサプライチェーン各社に至る行き届いた規定や制度作りがこれからの企業に必要な改革となるのではと筆者は考えています。

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