医薬品業界のデジタル化に対するガイド

記事投稿:マスターコントロール株式会社

新型コロナウイルスの流行に誘発された規制当局の立入検査の中断と以降の医薬品の承認処理の遅滞のために、米国食品医薬品局(FDA)は現地訪問の代替策を出すことを余儀なくされました。そこで、FDAは、「リモート相互評価」という言葉を用いて、医薬品会社とその製品をリモート監査するために採用する予定の方針、ツールおよびプロセスを説明したガイダンスを作成しました。*¹

医薬品業界が一定のペースで動いていくとき、医薬品会社が業界の最新のトレンドに合わせて動くことが重要になります。「医薬品業界のデジタル化に対するガイド」は、いかに多くの医薬品会社が医薬品のバリューチェーンにおける長期的な基準適合性を確保する方策として、製造のデジタル化を採用しつつあるかをより詳細に解説しています。このブログは、上記のガイドに提示されている新たなトレンドおよび業界統計の幾つかに焦点を当てています。


医薬品製造におけるデジタル変革
2020年に、技術コンサルティング会社であるCognizantは、4,000人のビジネス界のリーダーを調査して、技術および業務の将来に対する洞察を得ました。この調査のデータは、医薬品の製造実施システム(MES)のような現代的な技術が製品開発において主流になってきていることを部分的に示していました。Cognizantは、「この調査は、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、自動化およびデータ分析が賢明な意思決定を可能にし、イノベーションの機会を与え、長期的な操業の柔軟性を確立させながらライフサイエンス業界の変革の核となるだろうということを示している」と報告しています。*²


システムと連結した操業が、医薬品会社によるコンプライアンスへの適合性を高める
製品を市場に投入するためにはコンプライアンスに適合することが求められます。このことを遅滞なく実現することで、市場競争で優位に立ちながら予定通り事業を進めることになります。医薬品製造用ソフトウェアがデータの収集とその流れを効率化します。医薬品の製造会社は現場がいかに機能しているかを以前よりも正確に理解できるようになり、このことがデータに基づいた製品関連の決定とプロセス関連の決定に繋がります。


医薬品適正製造基準(cGMP)に係わる規制に習熟する
現行の医薬品適正製造基準(cGMP)によると、すべての医薬品は、製品の安全性と有効性の要求レベルを確保するために設計された同一性、強度、純度およびその他の品質特性を確立しています。したがって、cGMPを遵守することは、製造者が一貫して同じ製品を何度も製造できることを意味します。

cGMPsは今後も内容が進化していくので、 医薬品製造会社は医薬品の製造実施システム(MES)を現場に配備しておく必要があります。例えば、生産ラインの中の各製造ステップにおける自動化されたリアルタイムの品質レビューは、製造ロットが最初からcGMPsに確実に適合するのを助けます。デジタル技術は、関連する全てのデータおよび解析とともに、イノベーションを醸成し、効率を高め、より価値の高い提案を生み出すでしょう。


紙への依存が製造に与える負荷を取り除く
バッチリリースの遅延の原因の一つはバッチ情報が失われるということです。レビューの段階と合格認定の段階は、異なるスタッフによって2、3回レビューされるのが普通なので、面倒なものになっています。医薬品の製造において、スタッフは勤務時間のおよそ30%を文書に関連した業務に費やしています。*³   このため、事業に極めて重要な業務からスタッフを人員として確保することで、品質管理業務を支えるということが頻繁に起こり、非生産的なものになっています。

ペーパーレス化に向かうことはバッチ記録上のエラーと情報の喪失をなくし、製品が最初から適切に製造されることを助けます。現代化に向けた医薬品業界の変革についてより詳しく学びたい方は、「医薬品業界の電子化に対するガイド」をダウンロードしてください。

 

 

参照
1.“Remote Interactive Evaluations of Drug Manufacturing and Bioresearch Monitoring Facilities During the COVID-19 Public Health Emergency,”
  U.S. Food and Drug Administration (FDA), April 2021.
2.“The Work Ahead in Life Sciences: Cures at the Speed of Digital,” Brian Williams, Cognizant.
3.“Operations Can Launch the Next Blockbuster in Pharma,” Ulf Schrader, McKinsey & Company, Feb. 16, 2021.

 

著者のご紹介
David JensenDavid Jensenはマスターコントロールにおけるコンテンツマーケティングのスペシャリストであり、リサーチならびに、ウェブページ、白書類、小冊子、電子メール、ブログ掲載、プレゼンテーション資料およびソーシャルメディアの記述内容について責任を負っています。彼は過去25年以上にわたり、様々な技術関連産業とオーディエンス向けに指導、マーケティングおよびPRのコンテンツを作成してきました。Jensenは、サイバーセキュリティ、データの整合性、クラウドコンピューティングおよび医療機器製造について幅広い著作を発表しています。またMedical Product Outsourcing (MPO)およびBio Utah等の様々な業界誌に論文を発表してきました。 Jensenは、Weber State Universityでコミュニケーションの学士号を取得し、Westminster Collegeで専門的コミュニケーションの修士号を取得しています。


本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本ページに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ページを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

 


 

■■■サービスのご案内■■■
以下問合せ先にお問い合わせください。

<お問い合わせ先>
マスターコントロール株式会社
事業部 
E-mail : https://www.mastercontrol.co.jp/contact/
TEL:  050-3823-0455


■■■会社案内■■■

グローバルにビジネスを展開する大企業から、中堅・中小企業まで、プロダクトマネジメントシステム(PLx)を管理するソフトウェアとして、世界中の様々な企業で採用されています。プロダクトマネジメントシステム(PLx)ソフトウェアソリューションの購入は、今後数年間、さらには何十年にもわたって、企業に影響を与える可能性のある大きな投資です。そのため、導入やそれ以上の内容をサポートするPLxプロバイダーの選択は重要で、単にソフトウェアの機能だけでなく、全体的な成功に重点を置くテクノロジーパートナーが必要となります。 
マスターコントロールのソフトウェアは、日本企業を含む世界1,500社以上のお客様にご利用頂いており、米国FDA(米国食品医薬局)の全世界のORA部門にも導入頂いています。 
 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます