ラボにおけるERESとCSV【第24回】

2016/12/09 施設・設備・エンジニアリング

望月 清

第6章 データインテグリティに対する組織の影響
 
表3 第6章データインテグリティに対する組織の影響 目次

  6.1       概要
  6.2       倫理綱領とポリシー
  6.3       品質文化
  6.4       品質マネジメントシステムの近代化
  6.5       品質指標の定期経営層レビュー
  6.6       資源(リソース)の配置
  6.7       内部で発見されたデータインテグリティ課題の処理
 
 
■ガイダンス要旨
▷ 概要 (6.1)
・組織の態度に関する査察指摘は適切ではなく不可能であろう。
・組織の態度がどの様に下記に影響するかを査察官が理解することにより、査察管はさらなる調査が可能になる。
   ◇ データの変更、削除、改ざんの動機
   ◇ データインテグリティを確実にするための手順管理の有効性
・組織の文化は以下に分類できる。
   ◇ オープン
     部下は管理層に意義を申し立てることができ、組織的あるいは属人的不具合を包み隠さず報告するのが業務上期待される。
   ◇ クローズド
     不具合報告や管理層への申し立ては文化的に大変難しい。
・「オープン」な文化における良好なデータガバナンスは、課題を認識し品質システムを通して課題を報告することを促進する。
・「クローズド」な文化においては、不都合な情報を報告するには大きな障壁がある。そのため、同等の管理レベルを達成するには、監視や二次レビューに大きな力を入れる必要があろう。このような状況においては、上級経営層への匿名の内部告発制度を用意するのが大変重要になろう。
・データインテグリティに対する経営層の知識と理解が、データインテグリティ管理の組織的成功に影響する。
・データインテグリティの過失は不正行為や改ざんに限定されるものではなく、意図せず発生することもある。
・直接的な管理としてはポリシーや手順を規定するのが通常である。
・プロセスの能力を超えた生産の動機付けなど、従業員の態度への間接的影響も理解し対応すること。
・データインテグリティ違反はいつでもどの職員によっても起こりうるので、経営層は慎重に課題を検出する必要がある。
・過失が発見された場合には、経営層は過失の裏にある理由を理解し、課題の調査と是正と予防の措置を講じる必要がある。

6ページ中 1ページ目

執筆者について

望月 清

経歴 合同会社エクスプロ・アソシエイツ代表。
1973年山武ハネウエル株式会社(現アズビル)入社。分散型制御システム(DCS)を米国ハネウエル社と分担開発。2002年よりPart 11およびコンピュータ化システムバリデーションのコンサルテーションを大手製薬会社にご提供。2009年より微生物迅速測定装置の啓蒙普及に従事。2014年5月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

124件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年7月2日(水)10:30-16:30~7月3日(木)10:30-16:30

門外漢のためのコンピュータ化システムバリデーション

2025年8月21日(木)10:30-16:30

GMP教育訓練担当者(トレーナー)の育成

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます