業界雑感 【2020年7月】

 つい数か月前までのことなのだが、新型コロナウイルス感染拡大前の日本経済は、慢性的な人手不足に苦しんでいたはずである。製造業や建設業・農業等人手不足の業種を支えてきた外国人技能実習生が、会社倒産や解雇で仕事や住む場所を失い強制的に帰国させられるケースなどは、もともとの制度設計のコンセプトから考え直すべきとも思うし、外国人留学生のアルバイト問題等も将来に向けて必要な労働力をどう確保していくのか、という意味でも真剣な議論が必要なのだと思う。
19年度に主要な製薬企業26社の従業員数は、18年度に比べ4.0%減少した。集計の中には19年4月に事業開始した子会社のシオノギファーマへの転籍もしくは出向によって900人あまりが減少した塩野義製薬のように、グループ全体としては大きな増減がなかったという例も含まれているが、アステラス製薬474人、協和キリン299人、中外製薬189人、エーザイ187人、鳥居薬品389人など早期退職者を募集した企業が多かったのも影響しているようだ。19年度の結果なので、各社の将来に向けた成長戦略展開の一環と理解している。20年度は新型コロナウィルスの登場で医薬品業界に限らずほとんどすべての産業界で市場環境やニーズも変わってくるだろうし、テレワーク・リモートでの会議や面談といったように働き方も変わっていくのだろう。実際に、薬の情報提供など医師向けの支援もリモートで問題なく対応している、との話も聞くところである。

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