ベトナムの医薬品市場・産業の変遷【第2回】

4)医薬品企業の製造面の状況
ベトナムは2005年よりWHO GMP に加盟し、2006年から医薬品製造者はGMPに適合とのことであったが、その後、既存製造工場のGMP適合期限は2010年に延長された。また、GMP監査(The Drug Administration Department of Vietnam:DAV=医薬品管轄局)より実施され2007年末でGMP適合製造社は75社が、2015年には数は約180社、最近195社と言われている。
 

上記の資料は2018年度のベトナム保健省公開リストを基にした当社の調査結果である。赤字表示は現地企業を示す。
2015時点では、EU-GMP、PIC/S及びJapan-GMPレベルは合計8社であったが、2018年ではPIC/S適合は6社、EU‐GMP適合は9社の15社となっている。
現在2020年にPIC/S加盟を目指しており、GMPレベルは向上してきていると言えるがベトナムの製造医薬品会社は200社近くあり、EU-GMPやPIC/Sレベルにある会社はまだまだ少ないというのも現状である。
尚、(株)シーエムプラスは2012年にベトナムに子会社を設立し、「ベトナムのヘルスケア産業の発展に寄与するスペシャルカンパニー:エンジニアリングとGMPコンサルティングを核として、マッチングイニシアティブ事業等、お客様の要望を超えた更なる価値の提供に絶えず努力する多様化企業」を経営方針として活動している。2012年から昨年までの活動実績件数をみると工場や製造ラインの改修の設計等のエンジニアリングが33件(内、ベトナム企業は9件、日欧米等の外資は33件)、GMP教育やセミナーのGMPコンサルティングは49件(同、12件と37件)、日本企業の製品導出先の探索や薬事調査のマッチング5件(同、2件と3件)等を実施している。
エンジニアリング業務においては、未だURS( User Requirement Specification:ユーザー要求仕様書=製造される製品や生産量と施設/設備への要求事項等、基本的なもの。)、概念設計、基本設計のエンジニアリングステップが定着していないこともあり外資系からの受注が主体である。
GMPコンサルティング業務においては、エンジニアリングとGMPは連携していることから、エンジニアリングステップの重要性を、GMP教育を通して行っている。
医薬品マッチング業務は、前述の通りベトナムの医薬品産業の変革時期であるという点から、今後、よりM&Aも含めた現地企業の評価(会社、工場等)が増加してくると予想している。
尚、人材育成支援の一環として2015年よりVNPCA(ベトナム医薬品企業協会)との合同主催で毎年、PIC/S GMP関連の2日間セミナーを開催しているが毎回、40社以上から100名以上の参加がある状況である。(参考:インドネシアのGP Farmaci(現地企業を中心とする医薬品協会)と協力して同様のセミナーを毎年実施している)。

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