「予習と復習」偽造薬防止への取り組み

2018/09/21 その他

森 栄治

●要旨
2018年7月、医薬品流通にかかるガイドラインの国際整合性に関する研究-研究班作成「医薬品の適正流通基準(GDP)ガイドライン」の説明会が開催されました。
ガイドライン各章の説明があり、主たるポイントとして医薬品の完全性と偽造医薬品流入防止のお話がありました。
偽造医薬品については、本年(2018)1月31日から施行となった一連の省令改正を受け、あらためて各社取り組みを強化されたことと思います。
そこで今回は、弊社の偽造薬防止への主な取り組みについて、具体的内容も織り交ぜてご紹介させていただき、ご参考にしていただければと思います。
 
●はじめに
現在私はPIC/S GDPの教育研修を、全センターを順に訪問して実施しているのですが、
継続実施する中で偽造薬防止に係る手順については重点項目として取り組んでいます。
「防止」については、単なる流入防止だけでなく、トリガーとなる盗難や戻り品の取り扱い、供給元・供給先評価など様々なポイントを押さえておく必要があります。
以下ハード・ソフトに分け、数例ご紹介します。

1. ハード面での取り組み
幸いな事に弊社センターにおいては、特に偽造薬流入・流出防止に関するハード面での取り組みをセンター構築時から盛り込んでおります。
各社でも装備されている内容かと思いますが、その一部を紹介しますと
・フラッパーゲート・・・入退館受付フロアにフラッパーゲートを設置、あらかじめ個人毎に認証登録した者のICカードのみ入退館を可能とする。
・総合型入退館管理システム・・・配送者入退口にカードリーダーを設置し、あらかじめ個人毎に認証登録した者のICカードのみ入退館を可能とする。
・金属探知機・・・倉庫内商品の多くを保管するエリアに金属探知機を設置。入退室時の携帯物をチェックする。
・静脈認証・・・向精神薬エリアには指静脈認証機等を設置し、社員並びに作業者を認証する。登録した者のみ静脈認証にて入退室を可能とする。
・機器校正・・・これらの設備機器が正常に作動していることを定期的に確認する。
 
さらに配送品に対する取り組みとして<バンディング>を実施しています。
バンディングとは弊社が独自に開発した配送用コンテナ(オリコン)一つひとつに封を施し、センター出荷後お得意様まで外部から手を加えることが出来ないようにするものです。
これにより配送中の盗難・混入防止などの効果にもつながっております。

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執筆者について

森 栄治

経歴 株式会社メディセオ ロジスティクス本部
1981年4月株式会社メディセオ入社。営業部門(20年)、人事部(7年)の職歴を経て2009年4月南大阪ALC(エリアロジスティクスセンター)設立準備委員会委員長を経てセンター長を歴任。2012年10月より本社ロジスティクス本部に配属、同本部副本部長及びSPLine取締役を兼務し、2018年4月より現職籍に至る。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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