モノづくりのモチベーション・マネジメント【第3回】

はじめに
 
 筆者は、参天製薬の生産本部長となった時、途中入社ということもあり、工場の社員をあまり良く知りませんでした。そこで、工場の社員をいくつかのグループに分割し、「本部長と語る会」という座談会形式のミーティングを開催しました。一種のタウンミーティングのようなものです。日頃から考えていること、疑問に思っていることなど自由な議論を望んでいました。ところが、ビジョン(本部のありたい姿)の浸透化や本部方針を伝えたく、いつの間にか「本部長が語る会」に変化しておりました。社員の思いや意見を吸い上げようと始めた座談会が本部長の一方的な話が多くなり、これでは趣旨と異なるということを自戒し、「本部長に語る会」として、極力社員の意見を聞くように努めました。この時、人の話を聴くということの難しさを痛感しました。
 
 管理職はまず、部下の話を聴くことが重要であると気づき、管理職の役割(心得)をLODACという言葉に集約しました。それでは、LODACについてお話します。
 
1.LODACとは?
 
 LODACのLは、Listeningで、部下の意見を良く聴くことです。部下の意見を聴くことは、2つの意味から重要です。1つ目は、本人の考えを出させることにより、何を考え、どこまで期待できるか、知ることができます。2つ目は、本人が自分の考えを述べることにより、その内容に関しては、責任を持つことになります。Oは、Objectiveで、目的、目標を明確に伝える。どのように業務を行うかというhowより、何のためにその業務があるのかというwhyを伝えなければなりません。そうすることにより、自律性を促し、指示待ち傾向がなくなります。そして、Dは、Delegationで、権限委譲です。目的を伝え、何故するのかを理解させ、あとは、その目的達成のためのやり方は任せる。最終責任は上司が取る。Aは、Appraisalで、評価です。やった結果を公正に評価することです。期待通りの成果であれば、褒め、期待に満たない場合は、何が問題であったかなどを指導することです。最後にCは、Coachingです。部下の成長、ステップアップのための指導・育成が重要です。
 
2.目標設定のためのSMAC
 
 部門目標ならびに個人(部下)の目標設定において、留意するポイントがSMACです。
 
 Sは、Specific(具体的に)で、抽象的表現ではなく、具体的な項目を設定する。Mは、Measurable(測定可能な)で、数値目標や期限を設定する。できるだけ定量的な目標設定にすることです。Aは、Achievable(達成可能な)で、実現できそうな目標を設定する。そして、Cは、Challenging(挑戦的な)な目標で、一見、Achievableと矛盾するようですが、容易に達成できる目標ではなく、そこには努力して達成できる目標設定が望ましいのです。達成可能で挑戦的な目標とは、具体的にどのようなものか。筆者は、個人のMAP(My Action Plan)策定時に、部下には自分の能力の110-120%の目標を立てろと言っていました。自分の能力の10-20%の成長見込みを設定するわけです。努力なしに成長はないというわけです。

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