私が経験したGMP、(@独り言)【第10回】

2023/09/29 品質システム

雨に濡れても。

雨に濡れても ― 掃除の基本は上から下へ ―


 7月、8月、早くは5月から台風が来るようになっている。天気予報では平年と比較して多いとか少ないとか、観測史上云々を報道しているけれど、とにかく次から次へ来すぎじゃないだろうか。それに今までのほとんどの台風は発生から数日、ほんの2~3日で過ぎ去っていくもので、近づいてくると急に暴風と豪雨になって、運が悪いと停電や断水、交通のストップなどが起こって生活に支障がでてしまうこともあるものの、雨風は一日やり過ごせば翌日にはそれこそ台風一過の良い天気となる、というパターンだった。このところの台風の進路ときたら、Uターンまでして同じ場所にいつまでも停滞してとんでもない被害を与えていく。台風ではない雨でも急な集中豪雨の土砂降りでドバっと落として、ピーカンに晴れて、気温が上がって暑さでムシムシになり、気を抜いていたら熱中症の症状が出る、そんなことの繰り返しになっている。日本はスコールのある気候地域になったのか?と思えるほどだ。とにかく雨の降り方がおかしい。

 高台にある建屋であれば川の氾濫などによる浸水被害はないけれど、あまりにも量の多い雨は、思ってもみない事態をもたらすことがある。その一つに雨漏りがある。天井や壁からしみだしてきた水。なんだろうこれ?となってから、はじめて雨漏りが起こったことがわかり、さあ、一体どこから?どこで起きた・・・?とたどってみたものの発生した場所がわからない。そう、雨漏りの元を突き止めるのは結構難しい。かなり離れた場所から天井伝いに流れてきていることもあるからだ。しみだしてきた場所が湿気を嫌う物のある場所だったら、品質への影響が懸念される。湿気だけではない。無菌性の保証が必要な場所への雨漏りであれば、もっと困ったことに雨水には多くの微生物が含まれていてとても栄養豊富な水なのだ。壁伝いに流れ込んで壁の内側にカビを繁殖させてしまう。できれば次の雨が降ってくるまでに解決しておきたいが、発生原因となった場所がわからないと修復は困難だ。雨漏りの原因には、建物の屋上や屋根の雨樋が目詰まりを起こしていることも少なくない。通常なら溜まることのない高さまで水がたまり、たまたまできていたひび割れや隙間からしみ込んで行く。これが厄介で、表面の消毒・除菌はできても内側は、壁をはがして大掛かりな工事をせねばならなくなることも少なくない。
 

 

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執筆者について

佐藤 小津江

経歴

1985年より4.5年間動物用医薬品の研究開発及び品質管理業務を経て、1988年より12年間、医療用医薬品(注射剤)の品質管理、研究開発とGMP整備業務に携わる。2002年より8年間、経皮吸収型製剤の分析評価業務と治験薬GMP体制整備に従事。2013年生物由来原薬、製剤、無菌原薬の製造販売業にて品質保証部業務と品質管理責任者を兼務し、2016年退職。株式会社シーエムプラスに入社。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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