製薬会社MRとは一体何か?【第4回】

本日4回目の連載となります。
改めて自己紹介をさせていただきます。
新卒で塩野義製薬に入社し、2社目でコントラクトMRを経験し、現在は医療IT企業にて営業を担当してます。
会社員の傍で、「製薬MR」を中心にYouTubeも配信しております。(チャンネル名「にしまファーマ」)

3回目の連載ではMR不要論というテーマで執筆いたしました。
(本来、先生から爆発的に処方をもらったエピソードを書く予定でしたが、苦労話から先に執筆いたします)
本連載では、製薬MRの苦労話ということで私が感じたことをエピソードベースでまとめていきます。

1.製品の「詰め」という文化
1つ目のエピソードは、数字の詰めという文化で苦労した話です。
MRという仕事は営業の側面があるため、数字の達成率を求められることがあります。
そこで期末に数字が足りなくなる場合、調剤薬局に頼み込んで自社品をいつもより多く買ってもらう必要がありました。
これがいわゆる「詰め」という文化です。

私自身、新人配属された営業所の上司が非常に厳しく、数字の達成率に対してストイックなタイプでした。
薬には併売品と言って、販売提携先の会社と同じ薬剤で実績を取り合うケースがあります。
同じ薬剤でも別々の箱で販売するため、どちらの会社の箱が入ったかで、どちらかの実績が決まるというイメージです。

その時に、担当施設の併売品毎月500錠の注文があった小さな薬局で、元々うちの箱だったのにも関わらず、とある時期に併売先のメーカーの箱に変わって実績が無くなったことがありました。
その薬局の近くをたまたま通ったんで、確認しに行くか〜と駐車場に着いたと同時に上司から電話で「〇〇薬局、500錠切り替わってるけど確認いった?」それくらい日々部下の数字をチェックしてる人でした。

さらに、上司は営業所から2時間かけてその薬局にわざわざ来て現状を確認しに来る、それくらい数字にシビアな上司でした。

その日からもう上司から数字の達成率が悪い月があるたびに毎日激怒される日々。
営業所に出社しては、すぐに個室に呼び出され
「何で今月は数字が行かなかったの?足りない分は来月どうしてくれるの?」
と、保険の営業マンのような詰められ方をされていました。
私は、怒られたりしたら反骨心が芽生えるタイプでしたので、もっと仕事をしてやろう!と思う日々。
営業件数を1日10件にしてやるぞ!などと日々の業務量を自分で増やし、毎日22時まで営業所に残り仕事をしていました。

さらに、当時は新人でしたのでMR認定試験の勉強もあり、試験の勉強もしなければなりませんでした。
こうして、どんどんストレスが溜まっていったのです。
そして最後にとどめを刺したのが1年目の12月の期末の時期。
数字を詰める季節がやってきました。
当時は詰める薬剤のパテントクリフの影響もあり、いつも以上に会社も数字の達成率に関してストイックでした。
期末というのは、目標数字もそれなりに大きくなり、通常100万円の売上目標が期末に150万円になったりすることもあります。

僕が新人というのは関係なく、むしろこの12月の期末の時期にどれくらいの活動量を見せるのか、ということを先輩方から見られていました。
しかし僕は、これまでの業務量や詰めのプレッシャー、先述したようにMR認定試験(試験は12月)もあったことから、精神的なストレスで疲労困憊していました。

目標数字も大きくなっているわけですから、詰めても詰めても数字が足りない。
それを上司に報告しては毎日怒鳴られ、報告しては足りないと怒鳴られる日々。
そして、ある日を境に気持ちがプツンと切れてしまうことがありました。

そこで、僕は何を思ったか上司に「有給をください。そろそろ休みたいです」とメールを送ってしまいました。
当時は新人ということもあり、気持ちの余裕もなく日々の業務が手につかず、出社することさえも億劫になってしまったのです。
ただ、何の結果も出してない新人が頑張っている先輩たちよりも先に休みたい、というのは先輩や上司からするとご法度でした。

そういうご法度をしてしまい、案の定上司に翌日に詰められて営業所の小さな小部屋で泣いてしまったのです。
これが実際になった「詰め」という文化が厳しくて苦労したお話しです。

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