食の文化と音の文化【第5回】
さて、第5回は「食の文化」の続きについて記載する。なお、今後の話は時系列的には記載しないことを断っておく。
9. 料理の基盤となったアイルランド生活
2005年9月、私は医薬品製造プラントの建設プロジェクトのために、アイルランドに数か月住むことになった。業務内容については省略するが、アイルランドの首都ダブリンの少し南にあるブレイ市に住むことになった。住み家はキッチン付きのホテルである。このホテルの欠点は浴室の給湯能力がきわめて低いことであった。そのことは、食の文化とは無関係であるが。
さて、このアイルランド生活は基本的に自炊生活である。というのは外食も可能であるが、アイルランド料理はイギリス料理と並ぶほど、まずい料理である。アイルランドで美味しいものは、本場のイタリア料理やスペイン料理であった。しかし、一般に前菜とメインの両方をオーダーする必要があり、我々日本人にとっては量が多く、毎日外食をするのは量的にギブアップをしてしまう。従って、基本的には自炊生活をすることになったが、私自身、自炊そのものは別にどうということはなかった。
このアイルランドでの建設プロジェクトのために、数人の同僚たちがアイルランドで既に生活をしていた。彼らは同じホテルで生活をしていた。しかし、彼らの自炊食というのはあまりにも哀れなもので、ご飯は炊いたものの、その上にふりかけを載せてお茶漬け風にして、毎日を凌いでいたのであった。私は、これはあまりにも可哀そうであると思い、週に一回(土曜日または日曜日)、彼らを私の部屋に招くことにした。彼らは何年もアイルランドで生活しており、やはり日本食に飢えていた。当時のアイルランドのダブリンには、まともな日本料理店も無かった。ここで、私は腕を振るったのである。特に日本食の居酒屋風メニューで彼らの食生活を補うこととした。
残念ながら、当時の証拠写真はないが、一番のメニューは『サーモンのたたき』である。アイルランドは緯度的には樺太ぐらいであり、サーモンの産地である。私の住むホテルの近くの魚港の突堤にある倉庫風の場所で、新鮮なサーモンが売られていると聞き、毎週そこを訪れた。5cm程度の厚みのあるサーモンは、いつでも手に入れられた。非常に脂ののったサーモンであり、関東関西ではお目にかかったことないようなサーモンであった。アイルランド人は殆ど生で食べることはないが、私は鮨用のサーモンと注文し、生のままでも食べられる物であった。もちろん生のままでもよいが、たたきにすることにより、すこしあっさりと食べられると判断した。もちろん、アイルランド人はたたきにするわけはなく、関東関西でもサーモンのたたきは耳にしたこともなかった。どちらというと私の創作メニューのつもりであるが、おそらくサーモンのたたきを食べた方はあまりいないのではないかとも思う。さて、たたきにするためにガスコンロで表面だけを炙るのだが、ホテルには煙感知器がついており、そのまま焼いたのでは、煙が発生しホテル中が大騒動になったであろう。私は、このたたきの時だけは、煙感知器にポリ袋のカバーを取り付けてから、調理をした。このメニューの材料は全てアイルランド調達が可能であった。
これまでの記載内容
1.「食の文化」と「音の文化」の共通点
2. 音楽への触れ合い
3. タイ料理「タイスキ」との出会い
4. タイの思い出
5. タイの音楽
6. オールディズからビートルズ
7. いよいよアマチュアデビュー
8. The Knackの結成
1.「食の文化」と「音の文化」の共通点
2. 音楽への触れ合い
3. タイ料理「タイスキ」との出会い
4. タイの思い出
5. タイの音楽
6. オールディズからビートルズ
7. いよいよアマチュアデビュー
8. The Knackの結成
9. 料理の基盤となったアイルランド生活
2005年9月、私は医薬品製造プラントの建設プロジェクトのために、アイルランドに数か月住むことになった。業務内容については省略するが、アイルランドの首都ダブリンの少し南にあるブレイ市に住むことになった。住み家はキッチン付きのホテルである。このホテルの欠点は浴室の給湯能力がきわめて低いことであった。そのことは、食の文化とは無関係であるが。
さて、このアイルランド生活は基本的に自炊生活である。というのは外食も可能であるが、アイルランド料理はイギリス料理と並ぶほど、まずい料理である。アイルランドで美味しいものは、本場のイタリア料理やスペイン料理であった。しかし、一般に前菜とメインの両方をオーダーする必要があり、我々日本人にとっては量が多く、毎日外食をするのは量的にギブアップをしてしまう。従って、基本的には自炊生活をすることになったが、私自身、自炊そのものは別にどうということはなかった。
このアイルランドでの建設プロジェクトのために、数人の同僚たちがアイルランドで既に生活をしていた。彼らは同じホテルで生活をしていた。しかし、彼らの自炊食というのはあまりにも哀れなもので、ご飯は炊いたものの、その上にふりかけを載せてお茶漬け風にして、毎日を凌いでいたのであった。私は、これはあまりにも可哀そうであると思い、週に一回(土曜日または日曜日)、彼らを私の部屋に招くことにした。彼らは何年もアイルランドで生活しており、やはり日本食に飢えていた。当時のアイルランドのダブリンには、まともな日本料理店も無かった。ここで、私は腕を振るったのである。特に日本食の居酒屋風メニューで彼らの食生活を補うこととした。
残念ながら、当時の証拠写真はないが、一番のメニューは『サーモンのたたき』である。アイルランドは緯度的には樺太ぐらいであり、サーモンの産地である。私の住むホテルの近くの魚港の突堤にある倉庫風の場所で、新鮮なサーモンが売られていると聞き、毎週そこを訪れた。5cm程度の厚みのあるサーモンは、いつでも手に入れられた。非常に脂ののったサーモンであり、関東関西ではお目にかかったことないようなサーモンであった。アイルランド人は殆ど生で食べることはないが、私は鮨用のサーモンと注文し、生のままでも食べられる物であった。もちろん生のままでもよいが、たたきにすることにより、すこしあっさりと食べられると判断した。もちろん、アイルランド人はたたきにするわけはなく、関東関西でもサーモンのたたきは耳にしたこともなかった。どちらというと私の創作メニューのつもりであるが、おそらくサーモンのたたきを食べた方はあまりいないのではないかとも思う。さて、たたきにするためにガスコンロで表面だけを炙るのだが、ホテルには煙感知器がついており、そのまま焼いたのでは、煙が発生しホテル中が大騒動になったであろう。私は、このたたきの時だけは、煙感知器にポリ袋のカバーを取り付けてから、調理をした。このメニューの材料は全てアイルランド調達が可能であった。
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