私が経験したGMP、(@独り言)【第2回】

手始めに -標準操作(作業)手順(SOP)-

GMPに関わる少し前、研究開発部にいたため、「Good Laboratory Practice :GLP」 というのを学びに、ICH即時報告会を視聴していた。ステージ3からステージ4の段階だと説明されていたのだが、Good良いLaboratory実験室のPractice・・プラクティス?Wordの翻訳機能で見ると、「練習」「実践」「実習」「実際」・・・?とにかく、実験するなら良く管理された実験室で適切にデータを取得すること、あとからそのデータが間違いなく取得されたものであることを証明できるようにすること、という「データの信頼性の保証」が必要になったので、実験室の管理を始めることになった。主に以下の4点を実施していった。

  1. 分析機器の使用記録を残す。
  2. 試薬の購入記録:納品書に試薬のメーカーロット番号を記載する。
  3. 分析機器・装置にそれぞれ担当者と校正や点検の期限を決めて表示し、管理をさせ、校正・点検記録を残す。
  4. 分析法バリデーションを実施する。

どうやらGLPはアメリカで、医薬品の申請に利用された非臨床試験データが実は実施していない作り上げられたデータだったということがいくつか発覚したことが発端になっているらしい。だから、私たちが、医薬品の承認申請を行う際も、実験ノートに使用した試薬類のロット番号を記載して、PMDAが見たときに、確かに購入された試薬を使用し、データが取得されたことがわかるようにする。試験に必要なものが、購入されていなかったら、そのデータは偽物。ということだ。本当に実験が行われたのか?というところにかなり重点が置かれてチェックされていた。その後、GMP「Good Manufacturing Practice」が提唱されて、日本では少し遅れてGMPの規制が始まった。研究開発部でGLPの管理をしつつ、品質管理試験の一部を兼務していた関係で、GMPも取り入れる必要があった。どちらも似たようなことを提唱している部分は多かったが、その後、GLPは非臨床試験の管理として特化されてゆき、一般の試験室管理には適用されなくなって、筆者の部署では、GMPの方が主流になった。
当初、行政、薬業の団体などが主体となって、頻繁にGMPの講習会が行われていたので、筆者もGMPの理解を深めるために、いくつか講習を受講していった。どうやら、SOP(Standard Operating Procedure:標準操作手順書)の作成が必要になるというので、手始めに日常的に使用していた分析機器の操作手順を書くことから始めた。そして、作業手順「1.試液やサンプルを準備する。2.電源をONにする。3.本体の○○のボタンを押し、パラメータ設定画面を開く。4.設定画面の××にカーソルを合わせ・・・」と書いていくうちに、「これ全部、機器の取説に書いてある・・」ということに気が付く。取説は二つもいらないのである。そこで書き方を換えて、取説の○○ページの○○の記載に従い○○の操作を行う。と書いて、必要なページをコピーして添付した。

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