スタートアップバイオベンチャー経営(栄一の独り言)【第1回】

2021/10/15 その他

スタートアップバイオベンチャーの経営に関する課題および提言。

今回が初めての投稿になるので、少しだけ自己紹介をします。私の名前は、山口 栄一です。現在、A1 Partners (私の名前に因んで「えいいちパートナーズ」と読みます。)の代表として、スタートアップバイオベンチャー企業の育成支援コンサルタントをしています。長年、製薬企業およびバイオベンチャー企業で勤務していましたので、その経験を生かして、スタートアップバイオベンチャーの経営に関する課題および提言を綴っていきたいと思います。

スタートアップバイオベンチャーの経営課題として、資本政策(資金繰り)、知財政策、ライセンス政策等、諸々の課題がありますが、先ずは必ず直面するお金の問題、資本政策を挙げたいと思います。

資本政策は後戻りできない  - 間違うと代表取締役でも経営権を失う –
社会課題を解決できる新しい研究成果が生まれて意気揚々とバイオベンチャーを立ち上げて、一日も早く世の中に新薬や新規医療技術を提供しようという起業家を応援していくための「転ばぬ先の杖」となるような投稿に努めたいと思います。
初回のこの投稿では、起業家の誰もが直面する運転資金の調達、資本政策と呼びますが、これをしっかりと考えずに資金調達を続けると、創業者、代表取締役でも、ある時、経営のコントロール権を失ってしまう事態に陥るケースについて警鐘を鳴らしたいと思います。
資金調達の手段として、下記の方法があります。

  1. 「融資」(金融機関からお金を借ります。借りたからには返さなければなりません)
  2. 「出資」(投資家からか出資を受けます。会社の権利(株)を渡さなければなりません)
  3. 「クラウドファンディング」(ネット上でプロジェクトを立ち上げて支援者を募って出資してもらいます。対価として、支援者にリターンを返します。)

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執筆者について

山口 栄一

経歴

A1 Partners 代表。
九州大学大学院にて薬学博士取得。塩野義製薬およびバイオベンチャー企業で20年超に及ぶ事業開発経験を有する。同社事業開発部/経営企画部 部長を歴任。海外事業経験も豊富で、シオノギシンガポール初代社長、Shionogi Qualicaps, Inc. (米国ノースカロライナ州) Vice President、及び、Shionogi New York Ltd. で臨床開発に従事した。 バイオベンチャー企業で、取締役兼社長執行役員を勤め、バイオベンチャースタートアップ企業の経営経験を有する。日本ファルマアライアンス協会 初代会長として製薬業界へアライアンスマネジメントの普及に貢献した。感染症関連官民連携会議(座長:尾身 茂先生)で、「民」側の代表として、副座長を務めた。日本製薬工業協会 国際委員会 幹事としてグローバルヘルスにも従事した。Blockbuster Tokyo 2021のメンターに選出された。更に、厚生労働省委託 医療系ベンチャー・トータルサポート事業、MEDISO (Medical Innovation Support Office)のサポーターに採択された。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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