知的財産の基本から知財ミックスまで【第35回・最終回】

2025/05/16 その他

「知財ミックス」の戦略的活用事例

「知財ミックス」の戦略的活用事例

こんにちは。弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 高松孝行・弁理士 鈴木徳子です。

2022年6月からお届けしてきた連載「知的財産の基本から知財ミックスまで」も、今回が最終回となりました。これまでお読みいただき、誠にありがとうございました。

前回は、単一の知的財産権ではカバーしきれないリスクに対応するために、複数の権利を組み合わせて活用する「知財ミックス」の考え方をご紹介しました。

今回はその実践編として、実際に知財ミックスが活用されている事例をご紹介します。

事例1:医療機器(マスク)の事例
次のマスクは、特許によって、ポケット内にマスク用パッドを入れることで装着時に清涼感を与える構造を保護し、さらに意匠によって、マスク用パッドの形状を保護するという、知財ミックスを実践している例になります。

このケースでは、特許と意匠はそれぞれ異なる側面を保護しており、互いに補い合う関係にあります。具体的には、特許は技術的なアイデアを保護し、意匠は製品のデザイン(見た目)を保護します。
例えば、マスクの構造が異なっていても、マスク用パッドの形状が同じか似ていれば、意匠権の侵害を主張することができます。

 

 

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執筆者について

高松 孝行

経歴

ブランシェ国際知的財産事務 共同代表弁理士。
茨城県出身。東京工業大学大学院にて原子核工学を専攻。大学院での研究経験を生かして、弁理士となる。特許事務所勤務を経て、独立行政法人産業技術総合研究所(現国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研))にて、医薬・医療機器関係の技術を含む技術移転業務に従事。数百社との技術移転交渉、1,000通を超える契約書作成を経験。産総研退職後、2015年3月事務所開設。現在、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業カタライザーおよび独立行政法人中小企業基盤整備機構の中小企業アドバイザー等の公的機関の専門家として、医学部の教授、医師、医療機器メーカー、医療ベンチャー企業等の支援を行う。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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