知的財産の基本から知財ミックスまで【第35回・最終回】

「知財ミックス」の戦略的活用事例
「知財ミックス」の戦略的活用事例
こんにちは。弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 高松孝行・弁理士 鈴木徳子です。
2022年6月からお届けしてきた連載「知的財産の基本から知財ミックスまで」も、今回が最終回となりました。これまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
前回は、単一の知的財産権ではカバーしきれないリスクに対応するために、複数の権利を組み合わせて活用する「知財ミックス」の考え方をご紹介しました。
今回はその実践編として、実際に知財ミックスが活用されている事例をご紹介します。
事例1:医療機器(マスク)の事例
次のマスクは、特許によって、ポケット内にマスク用パッドを入れることで装着時に清涼感を与える構造を保護し、さらに意匠によって、マスク用パッドの形状を保護するという、知財ミックスを実践している例になります。
このケースでは、特許と意匠はそれぞれ異なる側面を保護しており、互いに補い合う関係にあります。具体的には、特許は技術的なアイデアを保護し、意匠は製品のデザイン(見た目)を保護します。
例えば、マスクの構造が異なっていても、マスク用パッドの形状が同じか似ていれば、意匠権の侵害を主張することができます。
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