海外工場建設プロジェクトの進め方 10回シリーズ【第8回】

2021/06/11 施設・設備・エンジニアリング

塚田 進

 
第8回:契約書の注意点

さて、建築許可が得られたらいよいよ着工となりますが、途上国ではその建築許可を入手するのにヤキモキすることも多いです。基本的なルールはどの国にも存在しますが、運用が曖昧な場合があり、いつ許可を得られるのか確信が持てない場合もあります。 許可日予定の見込みが立たないと工事着工日が確定しないということだけでなく、その許可時期を想定して起工式の予定を組む施主様もいらっしゃいます。日本からの来賓を招待する場合は、かなり前の段階で日程を決める必要があるので、建築許可に左右される着工のタイミングと起工式日程に差が発生することを前提に計画することになります。 起工式では、ヤギの血を流すとか、その国の宗教家に祈祷してもらうとか、踊りを披露するとか、それぞれの国特有の慣習があって面白いです。しかし、事故を起こさないように祈願するという目的はどの国も同じです。 

余談ですが、日系施主様が海外で工場を建設する場合は工業団地に入居することがほとんどなので、余計な心配ですが、アジア途上国の未開地で工場を作ろうという場合は、第二次世界大戦時の不発弾調査から始まるような事案がありました。経験が無ければそんなことには思いが及びません。



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海外工場建設プロジェクトの進め方-VOL.8

執筆者について

塚田 進

経歴 株式会社シーエムプラス 執行役員。
1級建築士、認定コンストラクションマネージャー(日本CM協会)。
1983年大手エンジニアリング会社入社。大型EPC案件の土木・建築を中心とした国内・海外プラント設計、海外現場管理を経験。エンジニアリング マネージャー、建築部部長代行を経て、2006年同社インドネシア法人社長に就任。700余名の現地社員を率い2014年まで企業運営とインドネシア国内中小案件をリード。海外駐在は、インドネシア、UAE, タイ、イラン、中国、カタール等、延べ15年以上に及ぶ。2016年株式会社シーエムプラスに入社。 国内外固形製剤工場、食品関連工場、医療機器製造設備等において顧客側コンサルタントとしてプロジェクトマネジメント業務(基本設計、ゼネコン引合い・評価、遂行管理等)に従事。2018年4月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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