海外工場建設プロジェクトの進め方 10回シリーズ【第2回】

2020/10/09 施設・設備・エンジニアリング

塚田 進

 
第2回:工場具体化検討(基本設計段階)
さて、建設する土地候補が決定したら、具体的に工場レイアウトを土地に合わせて決定してゆきます。この時期を概念設計段階、もしくは基本設計段階と呼びます。 場合によっては、この段階ではまだ手付金などで土地契約を保留しつつ複数候補地でレイアウト検討されることもあるでしょう。 レイアウト検討には、その国の建築関連法規と工場レイアウトを熟知した専門家に依頼することが必要です。そのニーズを満足するサービスを提供できる人材が揃っている日系ゼネコンも少なくありませんが、工事まで発注することを約束できない段階では、弊社のようなコンサルタントにご依頼される企業様も多いです。

工場のプランニングを進める上でその国の建築関連法規には注意を払ってください。アジアの国々はまだまだ法整備が十分ではありませんが、日本で工場を建設する場合に考慮しなければならない設計条件の要求事項は、ほぼそれらの国にも存在すると考えておいた方が良いでしょう。国によっては文化も建築要求も異なりますので、日本の基準で設計しておけば大概大丈夫だろうと油断してはいけません。

モスレムが大多数を占める国では工場レイアウトに彼らの礼拝行動への配慮もかかせません。また、乳児を持つ女性労働者のための搾乳室が必要という国もありました。構造設計で採用される安全率が世界標準よりも厳しい(日本より安全側)または、小さい(日本より経済側)国も存在します。また、避難経路要求については日本の基準より厳しい国もあります。シーエムプラスではアセアンの国々に提携パートナーネットワークを構築し、基本設計で必要な法的要求事項をいつでも確認できる体制をとっております。


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海外工場建設プロジェクトの進め方-VOL.2

執筆者について

塚田 進

経歴 株式会社シーエムプラス 執行役員。
1級建築士、認定コンストラクションマネージャー(日本CM協会)。
1983年大手エンジニアリング会社入社。大型EPC案件の土木・建築を中心とした国内・海外プラント設計、海外現場管理を経験。エンジニアリング マネージャー、建築部部長代行を経て、2006年同社インドネシア法人社長に就任。700余名の現地社員を率い2014年まで企業運営とインドネシア国内中小案件をリード。海外駐在は、インドネシア、UAE, タイ、イラン、中国、カタール等、延べ15年以上に及ぶ。2016年株式会社シーエムプラスに入社。 国内外固形製剤工場、食品関連工場、医療機器製造設備等において顧客側コンサルタントとしてプロジェクトマネジメント業務(基本設計、ゼネコン引合い・評価、遂行管理等)に従事。2018年4月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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