【アメリカの医薬品不足プログラムについて】ASTROM通信<56号>


株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。
 
 
本稿は【2014.08.15】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー
 


 

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

お盆休みの真っ只中ですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

前々回・前回のメルマガで、FDA(米国食品医薬品局)のウォーニングレターを取り上げてきました。
それらのウォーニングレターの中に、製薬会社に対し、しばしば、"製造する最終医薬品または原薬の数を減らそうと考えている場合は、FDAの医薬品評価センター(CDER)の医薬品不足プログラムにすぐに連絡せよ。"という文言があり、気になったため、今回は、FDAの医薬品不足プログラムについて調べてみました。
 


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アメリカの医薬品不足について
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FDAのウォーニングレターに書かれていた医薬品不足プログラムをインターネットで検索すると、FDAの該当ページに容易にたどりつくことができます。
http://www.fda.gov/Drugs/drugsafety/DrugShortages/default.htm
 

アメリカでは以前から医薬品の不足が問題になっており、2011年10月31日にはオバマ大統領が医薬品不足に対応するための大統領命令を出すなど、この問題に本格的に取り組んでいます。
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/10/31/executive-order-reducing-prescription-drug-shortages
 

■アメリカの昨今の医薬品不足の状況
アメリカの処方箋薬の不足は、2005年から2010年の間に3倍になったそうです。
また、FDAに報告された医薬品不足は、2010年で178件(うち132件は、無菌注射剤)、2011年で251件(うち183件は、無菌注射剤)、2012年で117件(うち84件は、無菌注射剤)となっています。
後述の製造業者からの不足情報の早期通知が増えたことにより、医薬品不足の発生件数が減りつつあるようですが、古い無菌注射剤の不足は続いています。
 

■医薬品不足の原因について
医薬品不足の原因として、品質や製造の問題、製造の遅れ、原材料の供給者から製薬会社への納品遅れ、医薬品の販売中止等があります。
原材料の納品遅れは、原材料供給者の持つ生産設備の能力の問題で、供給できる量が限られていることによることがあるようです。
また、古い薬は、しばしば、製薬会社が、より新しい、利益を生む薬を作るために製造を中止することにより不足しがちです。とりわけ、無菌注射剤を作ることのできる製造ラインは限られているので、古い無菌注射剤を作り続ける製薬会社はわずかしかないため、古い無菌注射剤の不足が発生しやすい状況にあります。
1社の製造が中止になった時、他の会社が迅速に製造量を増やすことは難しいのも、医薬品不足の原因となっています。

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