中国「医療機器登録管理方法」の改定について[2]

 新しく改定された「医療機器監督管理条例」は2014年6月1日より実施されたが、医療機器管理に関わる上位法として、実施されるためには、関連する規則規程を改善しなくてはならない。従って、国家食品医薬品監督管理局(CFDA)は「医療機器監督管理条例」の関連規則規程の改定に取り組んでいる。うち、「医療機器登録管理方法」(以下「方法」と略す)は医療機器登録管理を規制する中核的な規則である。当該「方法」は十分に論証されており、2014年7月30日に公布され、2014年10月1日より正式に実施される。

 

一、全体的な設計

 「方法」は計11章82条で構成され、総則、基本要件、製品技術要件と登録審査、臨床評価、製品登録、登録変更、登録延長、製品届出、監督管理、法律責任、附則に分けられている。

 

二、主な変更

 (一)市場アクセス

 医療機器登録フローの変化について、表1をご参考いただきたい。



 第二に、製品技術要件で登録製品基準を変更したが、これはより中国の国情と国際的な認識に合致されるためである。そして、技術要求を公開し、公衆による監視の基礎を築いた。
第一に、製品登録前の製造許可証に対する要求は廃止された。これは、企業の事前準備時間とコスト及び製造ハードウェアコストの削減に役立つ。更に、医療機器登録許可は市場アクセスの許可であることをより明確化した。製造許可証を持つ企業について、製品登録証を取った後、すぐ市場での販売ができるようになる。各国での事例として、医療機器製造機器に対して、品質体系の構築(例えばFDAとEU)又は製造業許可(例えば日本)で管理しているが、製造許可に製品を登録している訳ではない。国際的な管理方法に合わせるために、関連の製造許可管理方法において、製造許可証が登録製品に限定されていることを廃止し、一定の範囲の製品について認めることとする。

 

 第三に、臨床評価のコンセプトで現行の臨床試験、臨床評価を置き換えた。IMDRF、FDA及びEUは全て臨床評価で製品の安全性と有効性を評価している。臨床文献、使用実績に対する評価の結果により、製品の安全性と有効性を証明できない場合のみ、臨床試験データの提出が要求されている。必要のない人体試験を低減できることから倫理にかなっている。同時に、植え込み型心臓ペースメーカー、人工心臓弁などの一部のハイリスク製品に対して臨床試験の危険の程度、臨床試験計画、臨床上の有益性とリスクについて比較分析を行い、臨床試験の必要性を決定する。


 第四に、登録審査の期限について、クラスⅡ製品は40日間から60日間、クラスⅢ製品は70日から90日間に伸ばした。更に、臨床審査は60日間で、資料補正後の審査は60日間であるので、登録申請の期間は80~140日稼働日を延ばした。然し、同時に、資料補正の期限は60日間から1年間に延ばした。これは登録審査、臨床試験に関連する資料を訂正するには十分であるので、資料補正の期限に間に合わず、審査を取り下げる状況の低減に役立つ。
 

 第五に、登録証書の有効期限を4年間から5年間に延ばしたことが、企業の負担の軽減に積極的な作用を持っている。同時に、登録番号は変わらないので、登録延長であっても、登録変更であっても、登録製品のトレーサビィティと管理に役立つ上に、登録証を更新するとき、登録者は元の包装とラベルを廃棄しなくてもよい。
 



※「医療機器監督管理条例」の中国語原文はこちら 中国国家食品医薬品監督管理局令第4

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