離散系シミュレーション利用の勧め【第3回・最終回】

2018/04/20 施設・設備・エンジニアリング

はじめに
前回(第2回)は、製造業における離散系シミュレーションの具体的な利用方法について説明したが、今回は離散系シミュレーションの新しい利用方法として最近注目されている、リスクを考慮したスケジューリングの機能について説明する。

1. 従来のスケジューリング手法の問題点
離散系シミュレーションの技術を応用したリスクベースド・スケジューリングについて話す前に、まず製造業において従来から行われているスケジューリング手法について見てみよう。現在行われているスケジューリングの方法は、大きくは表1.に示す3種類のアプローチに分類できると考えられる。
 
表1. 従来のスケジューリングのアプローチと問題点

実際には現在でも、最初に挙げた“1.人とエクセルシート”でスケジュールを作成している企業は多数を占めると思われるが、同時に表1.に挙げた問題点も十分認識されているように思う。コンピュータを使ったスケジューリングの主流は、近年では2番目よりも3番目のアプローチを選択するケースが圧倒的に多いと考えられる。その理由は、計算速度が速く、確実に現実的かつ実行可能なスケジュールを出力してくれること、またリソース等の割り当てに使われる経験則をカスタマイズすることで、従来人が行っていた判断作業のかなりの部分をコンピュータに取り込むことができること、などが挙げられる。
 

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執筆者について

小崎 恭寿男

経歴 株式会社ライジングサン代表取締役。
専業エンジニアリングの日揮(株)において国内外のエネルギー関連プラントを中心に、プロセス設計、プロセス制御設計、およびプラント情報システムの設計に30年余り従事。2013年に独立して、プラントの情報および制御に係るコンサルティングおよびエンジニアリングを主なサービスとする会社、(株)ライジングサンを設立。顧客とSIerの間に立って、顧客のニーズを明確かつ精度の高い仕様書にまとめる作業を得意としてる。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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