離散系シミュレーション利用の勧め【第3回・最終回】

はじめに
前回(第2回)は、製造業における離散系シミュレーションの具体的な利用方法について説明したが、今回は離散系シミュレーションの新しい利用方法として最近注目されている、リスクを考慮したスケジューリングの機能について説明する。

1. 従来のスケジューリング手法の問題点
離散系シミュレーションの技術を応用したリスクベースド・スケジューリングについて話す前に、まず製造業において従来から行われているスケジューリング手法について見てみよう。現在行われているスケジューリングの方法は、大きくは表1.に示す3種類のアプローチに分類できると考えられる。
 
表1. 従来のスケジューリングのアプローチと問題点

実際には現在でも、最初に挙げた“1.人とエクセルシート”でスケジュールを作成している企業は多数を占めると思われるが、同時に表1.に挙げた問題点も十分認識されているように思う。コンピュータを使ったスケジューリングの主流は、近年では2番目よりも3番目のアプローチを選択するケースが圧倒的に多いと考えられる。その理由は、計算速度が速く、確実に現実的かつ実行可能なスケジュールを出力してくれること、またリソース等の割り当てに使われる経験則をカスタマイズすることで、従来人が行っていた判断作業のかなりの部分をコンピュータに取り込むことができること、などが挙げられる。
 

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